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映画『哀れなるものたち』(ネタバレなし)
凄まじい映像体験だった。
『ストップ・メイキング・センス』が上映されていた沼津のららぽーとから場所を三島のジョイランドに移動して20:00から上映される『哀れなるものたち』を観た。
一言で言い表せないが悪夢のような大人のファンタジーに潜む道徳や背徳…テーゼとアンチテーゼが渾然一体となり頭の中を覚醒させるような映画とでも言おうか…。
監督は『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス。主演は私のお気に入りwエマ・ストーン。ジャンル的にはSFファンタジーラブコメに属するのだろうがR18+なので察してほしい。グロくエロいシーンあるが私にはそう映らなかった。
主演を務めたエマ・ストーンはプロデューサー(先日観た『僕らの世界が交わるまで』同様“フルーツ・ストーン”名義)も兼任しており才女ぶりを発揮している。
ー あらすじ ー
とある事故がキッカケでゴドウィン・バクスター博士(通称“ゴッド”)により自分の子供の脳を移植され蘇生したベラ・バクスターは大人の体をした幼児であったが驚異的な発育をしていった。やがてゴッドの弟子マックス・マッキャンドレスと純愛に陥るが、ある日、どうしようもない放蕩野郎のダンカン・ヴェダバーンと駆け落ちする。
ダンカンにより性に目覚め、駆け落ちした旅の行く先々でベラは世界を知り世間の不公平や不条理に気づき…といった内容。
まず、幼児の知能だった頃の純真無垢で残酷なベラを演じるエマが最狂に可愛い!ダンカンとの情事のシーンにエロさを感じさせないのは大人になりきれないベラに羞恥心がないからだろうか?とにかく怪優エマ・ストーンの本領発揮の作品であり、ゴドウィン博士を演じるウィレム・デフォーのメイクの凄みや出演者の絢爛豪華な衣装や年代不明なセットも何もかもが素晴らしい!
スコットランドの作家アラスター・グレイが1992年に発表したゴシック小説をヨルゴス・ランティモス監督が1930年代の映画に着想を得て、「フェデリコ・フェリーニやマイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガーがかつて撮影していたような方法で、古風な映画を作ること」を実現させた映像が実に煌びやかでありオスカー11部門も頷ける大作に仕上がっている。
141分とやや長尺ではあるが“次は何が起こるんだろう”という不思議な期待感や高揚感があり時間を感じさせない。先に申したようにR18+であるのでエログロはあるが、それが気にならない映画好きには超絶おすすめの作品です。
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