映画『ベネデッタ』
前日に観た『かば』に続き実在したの人物をモデルにした映画…とはいえ内容は大きく異なるが…
17世紀、現在のイタリア・トスカーナ地方にあたるペシアの町に実在した修道女ベネデッタ・カルリーニの裁判記録を元に鬼才・ポール・ヴァーホーベンが独自の解釈を交え映像化した神々しい悪夢。
ベネデッタが起こした数々の奇蹟や聖母マリアやキリストとの会話や体の聖痕は真実なのか、はたまた狂言なのか…
17世紀当時にはタブーであったレズビアン告発を元に描くセクシャルサスペンスでもあり、『エクソシスト』を連想させるホラーめいたオカルト神話のようでもあり、ロマン・ポランスキーが描いた『マクベス』のように血塗られた史実でもあり…
一言では言い尽くせない要素が凝縮されていながらベネデッタの辿った数奇な運命を残酷なまでに切り取ったバーホーベンの怪作は呼吸することを忘れてしまうほど鮮烈な2時間11分の映画体験。さすがヴァーホーベンやってくれます!
主役のビルジニー・エフィラ演ずるベネデッタの妖艶な美貌が映画の信憑性をよりリアルにしている。
R-18なので拷問シーンや性描写もあり万人にお勧めはできないけどカルトなヴァーホーベン好きには最高の贈り物。
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