早いもの勝ちという概念
今日は本当に久々にオープン会に参加したのだけれど、前はすんなり遊べていたはずの3時間クラスのゲームが、今日は終わってみたら頭痛という結果。カラダ作りに筋トレが必要なように、ボドゲ脳にもトレーニングが必要だなと思いました。ほなね。
…と言って締めてしまいたいくらい脳が疲弊していますが、もう少し。
イニシアチブ
完全な同時出しのゲームで無い限り、「手番順」というものが存在します。無いゲームは、「Welcome to…」のような同時記入のゲームや、「世界の七不思議」「ピット」等々、探せば結構ありそうですが、9割方あるんじゃないでしょうか。
我々は、ゲームを遊んでみた結果として、先手番有利、或いは後手番有利をメカニクスに組み込むことができます。では、AIにこの、先手番有利、後手番有利という概念を理解してもらうためには、どうすればいいでしょうか。
考えられる方式としては、ランダム式でも、ある程度学習ができる方法でもよいので、手番を固定して、AIにたくさんの回数ゲームをプレイさせ、できれば序盤、中盤、終盤の3つくらいに分けて、それぞれの手番の得点を記録し、数値として比較します。
ゲームを通じて先手番が有利な結果になった場合には、先手番を取れるようなアクションを組みこむか、現時点で最も得点の低いプレイヤーが最初に手番を行うような調整をすればよさそうです。逆の結果になった場合には、その逆を実施すればいいですし、ひょっとすると序盤と終盤で結果が変わった場合には、ゲームの途中で先手番/後手番のイニシアチブを変えるような、そんなメカニクスのゲームができあがるかもしれません。
GPTにも聞いてみた。
ふわっと、手番順によるアクションの有利不利について、気になるポイントを聞いてみました。5つの観点で答えが返ってきています。
それぞれの場合において、どう数値化できるかがカギとなりそうです。パッと思いつくところだと、トリックテイキングゲームのように、リード(打ち出し)である程度制限を付けられて、かつ1トリックの実質的な勝者は後手番に近い方が有利、みたいな状況を、AIにどう捉えさせるのか、というところを深掘りしていくと、面白い結果が出るかもしれません。
これは、先ほど少し触れた部分ですね。序盤と終盤で手番順による得点期待値、或いは得点への影響値が違う場合には、メカニクスの一部としてそれをどうにかするべきなのでしょう。
カタンの何番手が有利か問題は、まだ解決を見ていないと思っています。(本当は、最適な初期配置ができるAIプレイヤーたちにひたすらカタンをプレイさせれば、本当は何番手が有利か出るはずなのですが、理論上2番手が有利、みたいな記事を見た記憶はありません。誰か知っていたら教えてください)また、チェスを筆頭に、「二人零和有限確定完全情報ゲーム」というものは全て、最善手を実行することで、試合開始時に先手必勝、後手必勝(引き分けを許すゲームの場合は引き分けも)のどれかに帰着することが知られています。
私の好きなゲームの1つに、「ハンザ・テウトニカ(Hansa Teutonica)」というゲームがあるのですが、道を確保するためには先にキューブを置かないといけないのですが、後手番の人は先に置かれているキューブを押しのけるアクションが使える、という点で有利な分、押しのけられた方のプレイヤーも、追加のキューブを得て別の道に移動できる、という仕組みがあり、このような場合に「先に置いたほうが有利」「後に置いて押しのけた方が有利」「実はどちらも有利で、どちらにも関与できなかったプレイヤーが単に不利」というそれぞれの点を、感覚的にではなく数値的に評価する必要がありそうです。
今日プレイしたゲームがまさにこの形だったのですが、需要と供給にそれぞれダイスロールが入っていて、せっかく前ラウンドの結果手番順が早くなったのに、供給が少なくて残念、とか、そういう要素を指していると思います。逆に、どちらもダイスロールの結果が良く、そのラウンドは手番順が超重要だ、ということになるかもしれないので、ラウンドの途中に手番順が変わるアクションをゲームに取り入れるか取り入れないかと合わせて、検討していく余地がありそうです。
プレイ用のAIモデルと、デザイン用のAIモデル
もし、時間的にある程度余裕があるのであれば、プレイ用のAIモデルを作り、ゲームに必要な数値要素だったり、択一要素(例えば、アクションの中に手番順を変えるものを含む/含まないの二択)を全てモデル化し、そのモデルを進化させていくことで、ゲームディベロップをAIに実行させることができるのではないかと思っています。
そしてそのモデルを深層学習させることで、AIは無限に面白いゲームを生み出すことができるようになるはずです。(あ、でも数値バランスを計算してくれる計算機は別に必要だと思っているので、それは次回以降取り上げていきたいと思います)
まとめ
冒頭にも書きましたが、今日は久々にリアルでボドゲを遊んだので、AIのことよりも、そちらの思い出しというか、やっぱり人間とボードゲームで遊ぶのはいいよね、と思ったこととか、そのあたりに優先されて脳のリソースが使われたため、いつもとは違うカットの記事になりました。(リハビリも兼ねて率先して(?)軽ゲーを避けたため、自体はいつも以上に深刻です)
また暫くはリアル会には出られないと思いますので、これまで通り悶々とした記事が続いていくとは思いますが、お付き合いくださいませ。ほなね。
例のAI画像のコーナー
「二人零和有限確定完全情報ゲーム」を画像にしてもらったらどうなるかな、将棋とかチェスとかの盤とか出てこないかな、と期待したのですが、やはり変な味のある画像ができあがりました。さすがに1つの単語ではなく、幾つかに区切れた単語として認識したようです。指定は、「デジタルアート」にしてあります。
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