28歳の焦り

アラサーは第二の思春期といわれるらしいが、例に漏れず自分も25歳くらいからじわじわと焦りを感じ始めた。
26歳でマッチングアプリで出会った男性と結婚してからその得体の知れない焦燥感は逆に増していった気がする。
相手がコンサル会社に勤めていることもあり、人生計画を立てるのが好きなタイプだった。
いままでぼやっとしていたライフプランを具体的に考える段階になり、マスコミ業界で社畜に働いていたわたしはすぐにキャリアと出産に悩みはじめた。
自分で企画をして3年という長期プロジェクトで動く仕事だったので、出産との相性がすこぶる悪かった。
さらには転職願望もあり、でも転職したら1年は働かないと育休をとれないし、すぐに妊娠しても迷惑だしと考えていくうちに泥沼にはまった。

答えの出ない悩みだったけど、ある瞬間に決断せざるを得なくなった。
クリニックのブライダルチェックでわたしのAMHが1.16と低いことと、子宮筋腫が2つあることがわかったからだ。
AMHは卵巣年齢を示す数値だが、28歳のわたしの年齢は43〜45歳くらいだった。
そもそも生まれた時に卵子の数が決まっていて、人によって数が違うなんて知らなかったわたしには衝撃だった。
ちなみに、AMHは卵子の残りの数を示していて、質に関しては年齢に比例するので、AMHが低いからといって妊娠できないわけではない。
ただ、人よりも妊娠可能期間のタイムリミットが短いということがわかったのだ。
わたしは35歳以降は無理だと思った方がよいと言われ、30歳前後で生みきった方がよいと言われた。

しかも子宮筋腫が2つあった。昔から生理痛が重かったのはこのせいだったのだろうか。
こちらも知らなかったのだが、子宮筋腫は生理のたびごとに大きくなり、小さくなることはないらしい。
そして特に治療法もないようで、10cm以上大きくなったら手術で摘出する必要があると言われた。
わたしの筋腫はまだ4cmだったのと、今のところ妊娠への影響もないので、経過観察になった。
手術後も妊娠は可能だが、自然分娩だとリスクになるので、帝王切開になるのと、わずかだが子宮破裂のリスクがあるらしい。

2人子どもがほしかったわたしは、キャリアがどうのこうの言っている場合ではなくなった。
でも、こういった理由でもないと決断できそうになかったので少しほっとしている自分もいた。

その後すぐにクリニックにかかりながらタイミング法で妊活を始めた。
先生には診察のたびに残りの卵が少ないからはやめにステップアップした方がよいと言われ、
2周期リセットしたら卵管造影検査をした。
もともとレス気味だった夫のタイミングED問題やわたしのヒステリック化もあり、
すぐにシリンジ法に切り替えて生理が終わってから排卵日検査薬で陽性になるまで毎日シリンジ法をする方法にした。
そして、思ったよりもすぐに妊娠することができた。
とても幸運だったと思う。

つわりや身体の不調に苦しみながらも、妊娠が順調に進んでいる今、
お腹のベビーは愛しいし、良い状況なのにまだ焦りが消えない。
1人目もまだ産まれてないのに、今から2人目のことを考えて焦っている。
2人続けて妊娠して育休をとることへの罪悪感やそんなに次もうまくいくのかという不安、ブランク後のキャリアについての悩み。

AMHが低いことがわかった日から、子宮筋腫があることがわかった日から、
どのくらいの期間で数値が低下していくか、サイズが大きくなっていくわからない、
正確な残りのタイムリミットがわからない時限爆弾が自分の身体の中にあるような気がしているのだ。

はやくこの焦燥感から解放されたい。
解放される日は来るのだろうか。






















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