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ひつじ製菓さんにてショートケーキをつくる

 2024年8月7日、鳥取県境港市で完全予約制パティスリーを営むひつじ製菓さんに、ショートケーキのワークショップを開いていただきました。

ゆみこさんー!!よろしくお願いします


 というのも、先日、勤務先コーヒー店のボス宅で開催されたご飯会にて、参加していただいたスタッフアイさんの娘さんミトちゃんがパティシエを目指したいとの話があがり、それがきっかけでひつじ製菓のゆみこさんに教えていただけないか、と直々にお願いしていただき叶った会。そこに居合わせたわたしも参加したいです!ということでお誘いいただきました。

 わたし個人として、ひつじ製菓ゆみこさんはたまにイベントでお会いするくらいの接点で、ゆみこさんのつくるスイーツは圧倒的人気・支持。実は一度も出会えたことがありませんでした。

 ワークショップ前日、彼に、ゆみこさんのところで体験させてもらうことを伝えると、ゆみこさんの師匠であるパリのトップパティシエ青木貞治さんの大ファンであることが判明。彼の財布の内側に、誰かのサインが書いてあるのですが、誰だろうと思ったけれど気に留めずにいたらそのまさか、青木さんだった。20代の頃に世界中を旅していた彼は、青木さんのように世界でビックになりたくてサインをいただいたらしい。ええそんなことあるのね。雲の上レベルのすごい人だよ!とのことで機会に改めて感謝する。

 当日はとてもいい天気。一緒に参加するアイさんとミトちゃんに、ピックアップしていただき境港へ。はじめて見るあのベタ踏み坂!プチ観光気分でたのしい旅路。とにかく青が綺麗だった!

 そしてひつじ製菓さんの工房に到着し、一昨日までバリ島を旅していたゆみこさんの話を聞く。バリ島の独自文化が興味深く、神が本当に近くに感じられる場所のよう。ゆみこさんが焙煎されたバリ島のカカオをぽりぽり。焙煎の違いで風味特性の感じ方が大きく変わってカカオ・チョコレートの世界も楽しい。

 そして早速ショートケーキ作りを教えていただいた。ゆみこさんに何度も教えていただいて印象に残っているポイント3つ。

①前準備
②手を加えすぎない
③こまめな清掃

①前準備
 基本的に材料は全て計量を終える。手元に必要な道具はそろえておく。そこでやっとスタートラインに立てる。当たり前かもしれないけれど意外とできないこと。前準備はその後の手際に関わってくる、ということはケーキの出来栄えにも直結するということ。日々焼き菓子を作ることが多いが、やりながら、計りながら、もたもたとしながらやってるなあ。と思い返す。

②手を加えすぎない
 土井善晴先生もよく話しているけれど、おにぎりは握れば握るほど不味くなる、といったように、生地も混ぜすぎるとふんわり感はなくなっていくだろうし、クリームも混ぜすぎるとボソボソでツヤも消え、扱いづらくなる。それぞれの素材にとって適切な程度を見極めるのがプロ。人間のエゴは関係ない。
 また力でどうにかなるものでもない。手のスナップや、包丁の進む力、重力、それらに人間が身を委ねる。あくまで手は添えるだけ。

③こまめな清掃
 1行程が終われば作業台は美しく整える。使い終わった道具があれば片付ける。そうすることでその場所を、ケーキが主体として広く使うことができる。もう本当に当たり前すぎる話なんだけれど、想像してみた自宅、シンクが洗い物で山盛りになっていることもよくあるし、ステンレスのカウンターに跳ねた油がそのままなんだよなあ。もっとキッチンに愛を持とう。

 という感じで、もちろんショートケーキの作り方を学ぶことができたのだけれど、それ以上に、日常の哲学のようなものに触れることができた。

 3人それぞれ思い思いのナッペ、フルーツを乗せてクリームを絞る工程を経て、ショートケーキが完成。とってもたのしそうなアイミト親子を眺めてぽかぽか。

上から時計回りにアイさんミトちゃんわたし。個性!


 ゆみこさんがデモで作ってくださった美しすぎるケーキを食べながらお喋り。6号くらいの大きなホールケーキを贅沢に4人で食べた。こんなにケーキをたくさん食べたのははじめてで、食べきれたのにもびっくりするくらいに軽やかなゆみこさんのケーキ。本当に美味しかった。

この艶よね
最高すぎませんか。

 世界で名だたるトップクラスのパティスリーを選び、いくつもの厳しい経験を自身で選び取り続けたゆみこさん。トップクラスを知っていれば、いくらでもレベルを落とす(たとえば町のアットホームな洋菓子店(それもまた良いのだ!)のような)ことはできるけれど、その逆はできないよね!と話していたのがとても腑に落ちた。やりたいことがあるのであれば、まずは厳しい環境に身を置いて考えるのも一つ手だよと。ゆみこさんがパリに行ったのは26歳の頃だそう。私もまだ28。意思さえあればまだまだなんでもできる、どこへでも行ける、いろんな人と出会えるのだなあ、と感じた。なにかをはじめることに、年齢は関係ないかもしれないが、体力的な問題もある。年々体の変化も感じる。やはり、できるときに、やりたいときにやるのがいいのだと思う。

 帰り道にイマジンコーヒー伊勢宮に寄って、作らせて頂いたケーキを居合わせた全員にたべてもらう。

 という一日を過ごしました。いい日。ゆみこさん、アイさん、ミトちゃん、ありがとうございました!

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