見出し画像

慢性腎不全とのつきあいかた

こんにちは☀️
ペット在宅ケア まんまる堂 獣医師の櫻井李奈です。

今回は中医学の視点から
ペットの【慢性腎不全】について書いていきます。



◆ 腎臓のはたらき

そもそも、腎臓ってどんな臓器だろう?

腎臓とは、「体の老廃物を分別して出す臓器」です💡
ごみ処理場みたいなイメージです。

腎臓には毛細血管がたくさんあり
コーヒーフィルターのような「ろ過システム」で
お水、ミネラル、アミノ酸、ブドウ糖、老廃物など
毛細血管の隙間から出てしまうほどの小さな物質を
ろ過していく働きがあります。

ろ過していくんだけど、
ただろ過するだけだと必要な物質
(必要な水分、ミネラル、アミノ酸、ブドウ糖など)
もいっしょに排泄してしまうので
ろ過しながら必要なものを再吸収する』という
なんとも複雑な役割をがんばってくれています。

腎臓ってすごいですよね。

なので、この腎臓の働きが弱ってしまうと

①ろ過されなくなる
 →老廃物が体に蓄積する
②必要なものが再吸収できなくなる
 →薄い尿がたくさん出る
③ろ過するときに大きなものまで出てしまう
 →血尿、タンパク尿

というようなことが起こります。

腎臓には、
必要なものは取り込んで、不要なものは出す
働きがあるんですね。

◆ 犬猫は慢性腎不全になりやすい

わんちゃん、猫ちゃんで
慢性腎不全の子はとても多いです。

一般的にペットの慢性腎不全の治療としては

・皮下点滴をする
・腎臓の療法食を食べる
・老廃物を吸着させるサプリを飲む

の3つかなと思います。
人間だと透析治療があるけれど、
ペットではなかなかそこまでの設備はありません。

とにかく体の中に水分をいれて
体内の老廃物の濃度を薄くしつつ、
おしっこをたくさん出していく対症療法です。

けれども、なかにはこの処置をすることで
腎臓に余計な負担をかけていることもあります。

◆ 皮下点滴が負担になることもある

ここから先は

1,403字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?