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#88 Podcast News : 国内最大ポッドキャストの祭典 "Japan Podcast Awards"

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音声業界の海外市場が見えてくる番組 ポッドキャストアンバサダー
この番組では、自称オーディオジャーナリストである新井里菜が、音声を通じて音声業界の気になるニュースや注目の動きをお伝えします。
音声配信者やポッドキャスターが知っておきたい情報、音声配信が気になっている企業に役立つ視点を業界目線とリスナー目線でお届けしています。

さて、今回は「国内最大ポッドキャストの祭典 "Japan Podcast Awards"」を取り上げます。

今年秋から配信しているニュースレター”Podcast Newsletter”で毎月、音声業界ニュースについて執筆をしているんですが、今回は国内の音声業界、冬の風物詩とも言ってもいい?Japan Podcast Awardsをテーマに、過去の受賞作品を振り返って見えてきた様々な傾向を独自の視点でまとめました。

今回はそんなニュースレターを元に、音声でお届けしている内容です。

ニュースレターでご覧になりたい方は、公式Twitter@PodcastLetterJP またはWebsiteよりご覧ください。

1.国内最大ポッドキャストの祭典

さて、2021年も年の瀬。この時期、ポッドキャスターとして気になるイベントと言えば「Japan Podcast Awards」です。

今年で3回目となるこのアワード、優良なPodcastコンテンツを発掘し応援するイベントとして2019年に発足。 「今、絶対に聴くべきPodcast」「もっと世の中に知られるべきPodcast」を発掘することを目的に掲げられています。

ポッドキャスターとしては、ノミネートを一度は目指してみたい国内最大の祭典とも言えるこのアワード。今回はそんな配信者目線でこれまでの受賞作品を振り返りつつ、どのような注目ポイントがあるのか?独自の目線でお届けしたいと思います。

2.選考方法とは?

まず、この Japan Podcast Awardsの選考対象となる番組は、日本語圏に向けた、且つオリジナルコンテンツであれば自薦他薦問わないという事、ご存知でしょうか?

選考委員による選出もあるものの、リスナー投票による賞も昨年から開始されており、配信者だけでなくポッドキャスト好きなリスナーたちも巻き込んだ選考方法です。

年末から投票を開始して、約3か月の選考を経て翌年3月に受賞作品が発表される、というのが大体のスケジュールです。

3.2019年受賞作品

さて、ここからは過去の受賞作品を振り返って、どのような傾向があるのか独自の目線で見ていきたいと思います。

まずは、第1回2019年。ここでは大賞とSpotify賞という2つの賞がありましたが、受賞した作品は1つ『歴史を面白く学ぶコテンラジオ』なんとダブル受賞でした。

皆さんご存知のこの有名なポッドキャストも、受賞以来、Spotifyオリジナルの番組を配信したり、この番組の運営元株式会社COTENが資金調達に成功したりと、ビジネスにも繋がる道筋が見えてきたのが第1回の受賞作品でした。

4.2020年受賞作品

続いて2020年開催の第2回。受賞カテゴリが6部門に拡大し、7作品が受賞しています。ここでは更に傾向を詳しく掴むため、1つ1つ受賞作品をまず見ていきたいと思います。

▶大賞
『味な副音声〜Voice of food〜』
食がテーマの本作は、フードエッセイストがパーソナリティを務めています。毎回関連するゲストを迎えるインタビュータイプのポッドキャスト。

制作しているのはプロ。J-WAVEのデジタル音声コンテンツに特化した部門SPINEAR(スピナー)から配信されています。

▶Spotify Next クリエイター賞
『OffTopic//オフトピック』
『奇奇怪怪明解事典』
『ノウカノタネ』
それぞれの番組をサクッとご紹介しましょう。

最初の『OffTopic//オフトピック』は海外の最新テックニュースやスタートアップビジネスがテーマの1本。2名のパーソナリティーでお送りする会話タイプの番組です。

続いて『奇奇怪怪明解事典』はカルチャー系ジャンル。仲良し2人がお送りする、こちらも会話タイプの1本。

そして最後『ノウカノタネ』。こちらも3名のパーソナリティによる会話タイプの番組ですが、ジャンルがなんと農業。テーマも際立つ一本です。

▶ベストパーソナリティ賞&リスナーズ・チョイス
『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』
こちらは、ベストパーソナリティ賞とリスナーズ・チョイスのダブル受賞作品です。

2名のパーソナリティでお送りする会話タイプの番組ですが、TBSラジオ制作、パーソナリティーもラジオのプロという、クオリティーの高い番組です。

▶ベストエンタメ賞
『令和版・夜のミステリー』
受賞作品の中で唯一の、フィクションストーリーテリングタイプのポッドキャスト。昔のラジオドラマを復活させたこの作品。TBSラジオのプロが制作している1本です。

▶ベストナレッジ賞
『Researchat.fm』
ジャンルは化学。理系3名が海外と日本を繋いで話す会話タイプの番組です。

5.2020年受賞作品の注目ポイントとは?

さて、ここまでザっと作品をご紹介していきましたが、これらの2020年の受賞作品から見える注目ポイント3つをここから挙げていきたいと思います。

注目ポイント1:プロの参入
まず一つ目は受賞作品7本のうち3本は、プロが作った作品だという事です。

2019年第1回の受賞作品『コテンラジオ』は当時、特にラジオ局がバックにある作品ではありませんでしたが、2020年の受賞作品にはTBSラジオ制作、そしてSPINER制作の番組が受賞。よりプロが本気を出してきた感覚が見えてきます。

注目ポイント2:ジャンルの拡大
そして二つ目のポイントは、Spotify NEXTクリエイターズ賞の受賞作品から。この賞は2020年から新たに設定された賞ですが、ここで受賞した3本はかなり幅広いジャンルから選出されています。

テック系、カルチャー系、農業系と多岐にわたったこの受賞作品。賞の名前にもなっているSpotifyが今後クリエイターのジャンルの幅を広げたいと言うところが見えてくるような選考ではないでしょうか。

また、この3本は先ほどの注目ポイントと違って、ラジオ局のプロが作った番組ではない、というところも共通点の1つ。まさに、この賞を体現した番組と言えそうです。

注目ポイント3:複数パーソナリティがメジャー
そして最後三つ目のポイントは、受賞した作品のポッドキャストの作り方。実は、7本中1本を除いてすべて、パーソナリティ複数名で送る、インタビュータイプか会話タイプの作品なんです。

このタイプの作品は、海外のポッドキャストでも多いタイプ。メインパーソナリティとゲストの軽妙なトークや、気心知れた二人の会話を楽しむというのは、昔ながらの音声の楽しみ方の1つとも言えます。

ちなみに、先ほども挙げた『コテンラジオ』も、3人のパーソナリティーが送る会話タイプのポッドキャスト。

ここは、過去2年分の受賞作品をとっても作り方の傾向は変わっていないという三つ目のポイントです。

6.今年はどうなるのか?

さて、では今年はどうなるのでしょうか?

今回受賞カテゴリーは昨年の6つから8つに増えました。

新たに設定されたのは、ベストコメディ賞、ベストウェルビーイング賞。昨年の受賞作品以上に、更にこれから注目するべきジャンルの幅が広がってきているようです。

今年1年で世界的にも配信されている番組数が2倍に増えたポッドキャスト市場。国内でも様々なプラットフォームからの配信者が増え、ポッドキャスト媒体も盛り上がっています。

そんな中、第3回目となる Japan Podcast Awardsの開催。既に今年の自薦エントリー、そしてリスナー投票が始まっています。

配信者としての目標の一つとして、そしてリスナーとして毎日耳から楽しませてくれた番組への投票、ぜひ皆さんもしてみてはいかがでしょうか?

今年も様々な変化があった音声業界。お気に入りの番組に出会った方、新たに自分の番組を配信始めた方。いろんな音声の楽しみ方が増えてきた今年のまとめとして、Japan Podcast Awardsをテーマに今回は Podcast News をお伝えしました。

今押さえておきたい業界の流れから、これからの配信活動に役立つ視点を今後もお伝えしていきます。

7.エンディング

さて、今回はJapan Podcast Awardsをテーマに、音声版ニュースレターをお届けいたしました。

11月末に開催発表となったこのアワード。皆さんもTwitterなどで見かけられた方、多いのではないでしょうか?配信者としてもリスナ―としても楽しめるこのイベント、今回も独自の視点で振り返ってみました。

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最後まで、お付き合いいただきありがとうございました。
ポッドキャストアンバサダーの新井里菜がお送りしました。
それでは、次回のエピソードで。


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