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モナコ3 初体験は、特別な場所で(コンチキツアー1-18)

ずっと参加したかった、英語を使った国際ツアー「コンチキツアー」での思い出です。
旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪

セレブリティ気分が最高潮に達する場所

私達が参加しているコンチキツアーのバスは、美しく華やかにライトアップされた、モンテカルロ地区に到着した。着飾った私達はバスから降り、ライトアップされ、フェラーリなどのスポーツカーがざっと並んでいる道を、映画女優、俳優のような気分で通り抜けた。

カジノ前のライトアップされた優美な噴水での撮影は、ますますそんなセレブリティ気分を盛り上げてくれた。
あまりにも有名な「カジノ・ド・モンテカルロ(別名グラン・カジノ)」には、荷物検査をして、ようやく入場することが出来る。ここが世界のセレブリティや王侯貴族の社交の場だということが、納得できる。

カジノというより、劇場?!

晴れて入場すると、目を見張る美しい内観に圧倒される。
カジノといえば、ラスベガスにあるテーマパークのような所か、カジュアルな場所だとゲームセンターのような所しか知らなかったが、ここはまるでオペラ座やコンサートホールのようだ。

「なんだか、造りがウィーンのオペラ座にも似てる……!お金が動く、ギラギラした雰囲気がない!」
「Rina〜!君、絶対お金のこと、誤解してるよ。お金は本来、いいもんだよ」
「でもRinaは、いい所をついてるよ。私ガイドブックで“このカジノ・ド・モンテカルロも、パリのオペラ座を建てたシャルル・ガルニエが建てたって読んだよ」
「そうなの、ジュリー?あ〜、早くパリのオペラ座も行きたいね!」

豪華絢爛かつ優美なのは、エントランスだけではない。
カジノルームにまで、彫刻やステンドグラスがある。
さらに音響もとても良く、こんな所でカジノゲームやスロットが出来る人々は、ゲームだけじゃなく聴力も鍛えられそうだ。

スロットルームも、貴族の遊び場

「Rina、本当に私達とカジノ、しないの?」
「うん、ケイト達とスロットしながら応援してるよ」
「みんな、頑張ってね!」
ルームメイトのジュリー達を見送った後、私はオーストラリアの姉教師・ケイト達と、日本でもやったことのあるスロットを久しぶりに楽しんだ。
「万国共通!スロット、オーストラリアでも大人気なのよ。惜しいっ、後もう一息だったのに!」
1ユーロから遊べるスロットでも、熱が入るケイト。美しくアップされた金髪までもが生気に溢れ、さすが熱血教師だ。

「なんだか、Playボタンを押す手までもが優雅になっちゃうよね!あれっ……?」
「どうしたの、Rina?」
「フルーツが、そろった……」
「やるじゃない!今日、あなたツイてるのかもよ?」

投入した以上のユーロを手にすると、思った以上に気分も上がった。
「マドモアゼル達、スロットルームで遊んでるってことは、カジノゲームは完敗かな?」
リッチなアラサー社会人である、アメリカの父・ダンは、笑顔が輝いていた。

ツアーメンバーの大勝利

「ダン、あなた勝ったのね!」
「もちろん、大勝だよ!君達も、リベンジしておいでよ?」
「私達は、スロット以外はしないの」
「……えぇ!なんで?あのさ、君達……はるばるモナコまで来たのに、アメリカやオーストラリアでやるのとは、訳が違うよ?少ない額から賭けられるし。僕がついてるから、体験してみようよ」

純粋な青い目が輝き、いつになく真剣なダンの説得は、何か心に響くものがあった。
「ダンが一緒なら、安心かも。本当に、着いて来てくれる?」
「もちろん、Rina!君の思い出のお供をさせてよ!」
「Rina、挑戦するのね!ダン、彼女はさっきスロットでも、コインを増やしたのよ。私も、応援に行くわ」
こうしてダンとケイトという心強い応援団と共に私は、先ほど歩いて回ったカジノエリアへ再び入った。

ハープを奏でるように、カジノをする

そこでは、身体から発するオーラが既に違う、貴族のような身なりの人々が、まるでハープを奏でるかのような優雅さでカジノをしている。
彼らの身のこなしやオーラには、動くことも話すことも忘れてしまう程の美しさがあった。

「Rina、ついにカジノゲームが好きになって来たね!ブラックジャック、ルーレット、クラップス……色々あるけど、どれにする?」
予想が外れているダンに、本当に感じたことを話すのは少し照れくさく、私は我に帰り、それぞれの「カジノゲーム」をよく見回した。

優雅さ、美しさ、オーラが特に際立っていた、金髪でオールバックの紳士がルーレットでゲームを始めた。
「私、あのゲームがいいな!」
「ルーレット?いきなり本格的なのを選んだね。よしっ、頑張ろう!」

ルーレット

全くゲームのルールも知らないままルーレットの場に立ったが、改めて、このカジノゲームとはなんて優雅なんだろうと思った。
時々、ディーラーが囁くようなフランス語で話しているのも、広々とした宮殿に美しく響き、劇場にいるかのような気分になる。

「Rina、数字は何番が好き?」
「7番!」
「赤と黒はどっちが好き?」
「赤!」
「すごっ、即決だな!ポーター、よろしくお願いします」

カジノ慣れしたダンが、堂々とした口調でディラーに伝えると、ディーラーはホイールに球を投げ込んだ。
それは一見、子供だましの遊びのようにも見えるが、お金が絡むと皆、真剣そのものだ。
その球は、赤へとたどり着いた。

「Rina、勝ったよ!またもやお金が倍以上さ!」
「選んだ赤に、球が赤に入ったから?やった〜!」
貴族からしてみたら小金の勝利でも、大喜びするダン、私、ケイト、いつの間にか増えていたコンチキツアー応援団達に、ルーレットの紳士達はびっくりしていたかもしれない。でも、彼らはやはり、余裕のある紳士。
金髪オールバックの紳士をはじめ、こちらを見て優しく微笑んでくれた。

アメリカの父が、恩人に

ダン達に扉を開けてもらうと、外のモンテカルロはすっかり日が沈み、夜になっていた。
エントランスにズラリと並ぶフェラーリのスポーツカー群が、ますます勝利の気分を高めてくれた。

「どう、Rina?カジノもお金も、そんな悪いもんじゃないだろ?」
「うん、モナコのカジノとお金は大好き!ダン、ありがとう」
「なぁに、勝ったのはRinaだよ、おめでとう!ニースに帰ったら、勝利のお祝いさ!」
「ズルい……!」
あいにく大敗したジュリー達は、ちょっぴりうな垂れ気味だ。
「心配いらないって!勝った僕がご馳走するから、みんなで楽しもう!」
どこまでの太っ腹で頼りになる、アメリカの父・ダンだった。

デビューは、とびきり素敵な場所で

お金を賭けるものは、カジノをはじめ毛嫌いしていたが、ダンのリードとケイト、コンチキツアーメイト達の応援で、まさかの人生初カジノを、モナコで、体験できた。
しかも、そこは貴族の遊び場のような「カジノ・ド・モンテカルロ(グラン・カジノ)」。
この時のカジノデビュー以来、カジノをする時はルーレットと決め、今の所負けたことはない(回数も関係していそうだが)。

何事も初体験の場所が素晴らしいと、その後にも大きく影響するのかもしれない。
キラリと光を放つお金が関係するカジノの初体験は、輝くモナコの「カジノ・ド・モンテカルロ」が1番かと思う。


#カジノ #モナコ #グランカジノ #コンチキツアー

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