私は夜空にうかぶまんまるの。
澄み渡った夜空にうかぶのは私。
齢は、2歳くらいの女の子が、私をみて、
「お月さま、こんばんは!」と小さな手を振る姿がみえた。
娘さんの瞳が、私の光をキラキラと輝かせてるのが分かる。
まるで、宝石が夜空に散りばめられてるようだ。
この子が大好きな絵本の真似をして、あっかんべーと心の中で言ってみた。
それが伝わったのか、娘さんは、にっこりと笑っている。
この子が母親に抱っこされながら、夜泣きしていた時からみているので、なんだか感慨深い。
私がビル陰に隠れてしまうと、母親と一緒に歩きながら、「みえないねー」と心配してくれる娘さん。
「あっいたよー」
嬉しそうに私をみつめる娘さんは、なんとも愛らしい。
さて、私はいつまで、この夜空に輝き続けられるのだろう。
そして、この子はいつまで、私を見上げてくれるのだろうか。
そんなことを考えながら、静かに夜空にうかんでいた。
宇宙の果てしない闇の中で、私はただ一点の光にすぎない。
しかし、この小さな地球の上で、私は誰かの心の拠り所になっているのかもしれない。
そう思うと、私も勇気づけられた。
娘さんの成長とともに、私の姿も刻々と変化していく。
満月、三日月、そして新月。
次の満月には、この子はどんな表情をみせてくれるだろうか。
私はそっと見守っている。
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