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日常エッセイ

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#子育てエッセイ

デコボコ月夜、2歳の娘と手作りで挑戦。

澄み切った秋空に、まん丸の月が輝いていました。 黄金色のさつまいもが、キッチンに甘い香りを漂わせています。 十五夜の夜、私は娘と一緒に、お月見団子を作ることにしました。 黄色いエプロンを身につけ、キッチンに立つと、「〇ちゃんもー!」と娘が私の足元に駆け寄ってきました。 待ちきれない様子です。 今年のお団子は、2歳の娘にも安心して食べてもらえるように、さつまいもを裏ごしして作ることにしました。 牛乳を少し入れすぎたせいか、生地はやや柔らかめ。 大人の私でも、ちょっと苦戦しな

【子育てエッセイ】花火と娘の手

花火と手が眩しい。 夏の夜空あがった花火が、2歳の娘の小さな手を照らし出す。 その瞬間、私は娘の手の形から成長を感じとった。 あのぷくぷくとしたもみじの手は、どこえらやら、小さくても、すらっとした指が伸びている。 届くまいが、一生懸命に手を伸ばす娘。 「ママ、はなび~」 覚えたての「はなび」という言葉をすぐに使えることにも驚かされた。 花火の光に包まれた娘の顔は、純粋な驚きと喜びで輝いていた。 私は娘の手をぎゅっと握りしめ、その瞬間を心に刻もうとする。 まだ遠くから眺

【子育てエッセイ】夏の雲とネコジャラシ

夏の雲は、刻々と表情を変える。 まるで2歳の娘のご機嫌とおんなじだ。 ほんの数分前までニコニコしていたと思ったら、急に大泣きしたりする。 予測不能なその変化に、私はおろおろするばかり。 娘の成長は凄まじい勢いですすんでいる。 昨日までできなかったことが、今日できるようになる。 その喜びはとても大きいが、同時に痛みも伴う。 夏の嵐が過ぎ去った後の静けさの中に感じられる、湿った空気のように。 娘の成長は、私のこころに複雑な感情を生み出す。 空にかかった虹がきえていくように

まほうのことば【子育てエッセイ】

1歳9ヶ月を過ぎた娘ちゃんですが、だんだんと宇宙語から日本語を話すようになってきました。 なんだか寂しも感じつつ、薄れゆく記憶の備忘録として綴らせていただきます。 1歳ごろから、娘ちゃんが使う言葉がありました。 「たっちーたい」 この言葉を言えば、ご飯のおかわりが出てくるし、抱っこもして貰える、何でも叶う魔法の言葉。 親が辞めてほしい時も、可愛い顔で「たっちーたい」と見つめられるともう降参です。 何だか叶えてあげたくなってしまいます。 「たっちーたい」は、魔法の