見出し画像

プロモーション

最近、後輩の放課後ハートビートの松下から、こんなLINEが

画像2


これ何回か聞かれた事あるのですが、彼は本当にどこまでもマジメな奴ですねw

こいつは劇場で僕に会った時、向こうから「りんさん、ネタの相談してもいいですか」と話しかけてきた。ここまでは、そこまで珍しくない話なのですが。それから、彼は出番でもないのに、僕の出番に合わせて劇場に来てネタの相談をしてきた。その、ひたむきな姿勢に、本当に売れたいんだなぁと思ったのを覚えている。

故にあいつが、おもしろ荘に出演が決まったと電話してきた時、自分のことのように嬉しかった。

僕は、自分達の事を一つの会社だと思っている。次から次へと、ヒット商品が出てくる中で、「自分」という商品をブランディングし、プロモーションして、爆発的にマーケティングしなければならない。

一昔前と違い、今は誰もが無料で「sns」というプロモーションツールを利用することが出来る。やり方次第で、下手すれば、何十万円、何百万円の広告費を使うよりも、効果的なプロモーションを打ち出す事が出来るこのご時世。活用しない手はないはずだ。

SNSなくして、EXITの躍進はなかったと思っています。ここで、僕達は、ビジュアルやファッションで既視感を拭い去った話は前述しましたが、故に僕らが吉本最速で単独ライブをさせてもらった際、必ず1分程度のプロモーション動画を作る事にこだわっていたのもそのひとつです。当時、単独ライブの告知といえばフライヤーが一枚が主流。そこでボケたり、世界観を伝えるのもいいが、そこで伝えられる情報に限りがある。加えて躍動感がない。SNSという情報が無限に錯綜する世界で目に止めてもらい、勝手にある程度の情報量を押し付ける。それによって単独ライブに足を運んでもらう。最悪、それが難しくても頭の片隅にザブリミナルに、ある程度の印象を刻み込めれば、次に僕達を何かで見かけた時に、記憶の中で情報が結びつきやすい状況を作れるはずだと思いました。

そろそろ、本題のイイネの話もしないとですね。当時、僕は、これがラストチャンス。とにかく、はやく世に出なければ、くわえて、ひとつ目の爆弾が爆発する前に、とにかく出来る限りのことをしておかなければならないと考えていました。

継続的にテレビに出続ける為に、必要なものは一体、何か。キャッチーさ、ポップである事、斬新な面白さ、真新しさ。あげればキリがない。番組によっては求められるものも変わってくるだろう。しかし、この全てを、わかりやすく測るものとして「視聴率」があげられるだろう。いい番組も、数字が悪ければ上の判断によって、終わってしまう。継続、起用の基準となる一つの目安である事は間違いないだろう。

しかし当時、僕は、もうテレビの需要は、視聴率では計れなくなってくるだろうと考えました。HDDの進化やサブスクの出現により、目当ての番組を見るために、テレビの前に座って、その番組を待つ時代は、終わりを告げようとしている。テレビ関係者もバカじゃない。そう遠くない未来、テレビの反響をSNSで測る時代が必ずくるはずだ。実際に今では、各テレビ局にSNS調査班というものがあって、イイネ数や呟きによって、その番組のバズりを測っているという話を聞いた事がある。

なんとか、EXITというコンビが今キテル。テレビ出演時にバズりを生み、また次も起用したい、こいつらを使えば、ある程度のものが保証されるという状況をこちらから生み出せないものかと考えた時に、たどり着いたのが「イイネ」でした。

当時、そうゆう芸人もいなかったわけではない。しかし、自分達に好意的なツイートにイイネしたり、リツイートする芸人は、これまた、どこかイタイというイメージが存在していた。しかし、前述したとおり、僕はラストチャンス。手段を選んでいられる状況ではなかった。なりふり構ってられない。痛かろうがなんだろうがやれる事を全部やっておくと決めたではないか。チャラ男が痛くて何が悪い。

それから、僕はとにかく、自分がテレビ出演する時はもちろん、出来る時はそうでない時も、エゴサーチを繰り返し、自分達に好意的なツイートを見つけてはイイネを押した。

リツイートではなく、イイネという多少のさりげなさも、ここではひとつのポイントだった。僕がイイネを押したツイートが、フォロワーのタイムラインの中に出現する。リツイートではフォロワーに対しての押し売りが少しあからさますぎるのだ。僕が拡散しているという事実より先に、呟きの内容をフォロワーの脳裏にサブリミナルに、刻みこむことで、キテる感を演出する。僕が、なるべく、初見ぽいツイートを選んでイイネするのも、そんなところに理由がある。ゴリゴリのファンが僕達に対して好意的なツイートをするのは当たり前。イイネを押す事で、小さいコミニュティを露呈してはいけない。あくまで、小さいコミニュティをなるべく大きいムーブメントに見せかける事が大事だったのだ。ありがちなツイートを例にあげてみよう。

「かねちもりんたろーも、マジイケメン超かっこいい!ネタも最高だし、一生応援する」

「EXITとかいうチャラ男コンビ、見た目ウザいけど、ネタまじおもれぇ」

この2つのツイートを初めて見たとき、どちらのツイートがキテる感を演出できるかは、一目瞭然だろう。

「かねちかっこいい」はいいけど、「りんたろーかっこいい」はダメ。ある程度の賛成票が、得られないとフラットな視点を持った人のツイートとして認知されないのだ。

自分で言ってて悲しいがw 最初はそれくらいシビアにルールを決めてやっていた。

これにより、徐々にコミニュティは大きくなり始める。そして、僕がイイネを押したツイートが、僕達に好意を持ってる人の目に留まり、さらにその人が、最初のツイートに対してイイネを押す。これにより一つの呟きが、3.4倍下手したら10倍、20倍に膨れ上がる。これを出演した時に繰り返せば、イイネ数はあっという間に100倍、200倍。いわゆる「バズリ」を意図的に生み出す事ができ、SNS調査班の元に届ける事が出来る。

ちょっと前まで、ネタパレさんが放送とほぼ同時に、1分ネタ動画をあげていた。他のコンビが2000、3000の再生回数を記録した頃。既に僕達のネタ動画は桁違いの数字を叩き出していた。これは、僕達が真新しく、目に留まりやすかったという理由だけではないはずだ。

イイネのメリットは、これだけに留まらない。もう一つのポイントとして外せないのが「双方向性」

当時、イチナナやショールームなど、投げ銭のライブシステムがバズり始めていた。人は双方向性を求め、それに対してお金を払う。だとすれば、自分が何気なくした、ツイートに対して、本人からの、イイネが押されれば、嬉しいし、覚えてもらえる。下手したら応援しようと思ってもらえるのではないか。僕はそう考えたのだ。

実際、当時イイネを押した人達が、僕の事をフォローしてくれた。ただ、フォローと同じ数だけ、フォローを外していった。そりゃそうだ。何気なくフォローした人への、好意的なツイートが次から次へと、タイムラインに表示されるのだ。うざくて仕方ない。笑 しかし、僕は、イイネをやめなかった。間違ってはいけないのは、僕の目的は、フォロワーの獲得ではない。あくまで「キテル感の演出」「バズリを生み出し、SNS調査班の目に止まる事」定期的にバズりを生み出すには、ある程度の方のフォローがあれば、目的は達成できると踏んだ。

画像2

これは、構成作家ヒガシヤマ君のある日のツイートである。もちろん、要因はそれだけではないが、僕がイイネした好意的なツイートが、苦に感じない人が厳選され、「双方向性」はある程度の期間を経て、「絆」に近いものになり、それはやがて「熱量」になった。僕達のファンは、総じて優しい 笑 チャラ男という嫌悪感を、乗り越え、頑張るチャラ男を応援したいと思えるに至るまでには、予め、ある程度の優しさを持ち合わせた人しか、なし得ないものだからだろう。こうして生み出した、平和空間は、とんでもないコミニュティに成長した。この規模のコミニュティがあれば、僕らの大抵の野望を叶える事が出来る。故に、叶わないかもしれない夢を見る事が出来る。だから僕達のファンに対する感謝は言葉では表せない。「気持ち悪い」と言われてしまえば、それまでだが、僕らも寝ていて構築したものではない。気持ち悪いと思われるくらいのコミニュティを背負って、これまでの芸人が、なし得なかった野望を実現させていこうではないか。

長くなってしまったが、イイネのメリット、といえばこんなとこだろうか。あげるとすれば褒められれば単純に嬉しいし、ハイボールが美味い 笑と考えるとデメリットなどあってないようなものではなかろうか。

赤裸々に語ってしまったので、有料化するか迷いましたが、後輩君やプロモーション業の方に何かしら有益な情報だったら嬉しいので、よかったらどうぞと思ってる今日この頃の僕です。

お後がヒュイゴー

EXIT りんたろー





いいなと思ったら応援しよう!

りんたろー from EXIT
ありがとう✨でもサポートは気持ちだけで充分だよ💕あなたのために使って欲しいな😘

この記事が参加している募集