「良い大人なのに」

夏、夫実家に帰省中、お義父さんに、
「良い年したおばさんが、
 韓国のアイドルを追っ掛けしてるだなんて、
 みっともねーだろ」
って言われた。

そう言われてみれば、私、ちょうど今が、多分、
「良い大人なのに」で代表される年齢ど真ん中だな。

二十歳になったら、ちょっと背伸びして、
社会人になったら、無理して虚勢を張って、
子どもが産まれたら、「良いママ」のフリをして、
三十代は、落ち着いた大人を演じていたような気がする。


でも、バンタンに出逢ってから、
今まで冷め切っていた感情が、再び熱を帯びてきて、
楽しい時は、踊り出したくなるくらい楽しくなるし、
悲しい時は、大都会のど真ん中でも涙が出てしまう。

友達と一緒にキャッキャウフフ言い合うのが楽しくて、
いや、そもそも、キャッキャウフフ言い合える友達が、
恐らく・・・20年振りくらいに、できた。

仕事仲間とか、ママ友は、会っていて楽しいし、
愚痴を言い合って慰め合う事はあっても、
そこまで、はしゃいだりする事もなかったからさー。


忘れていた。

というか、
もう、私には戻って来ない日々なんだと思っていた。

こんなにも心が躍って、泣いたり笑ったり感情が忙しいのは、
身体も心も若い時しか経験できない「青春」だと思っていた。


「良い大人」になった私にも、ちゃんと、
泣いたり笑ったりする感情があったんだな、
踊ったり歌ったりしたくなる心があったんだな、
っていう事に、気付かせてくれたバンタン。

良いじゃんね、すごーーーく、「良い大人」だ。

良い年したおばさんなのに、
無我夢中で追い掛けられる対象に出逢えた事、
もう、自分を自分で褒めてあげたい。

もはや不惑すぎて、「みっともない」っていう言葉に、
1mmも動揺しなくなった自分も褒めてあげたい。

私がノーダメージ過ぎて、お義父さん、
「まったく、おばさんってのは、図々しいよな!」
って言ってたけど、その言葉も全く痛くも痒くも無いわ。


あ、私、結婚した当初から、お義父さんと仲が良くて、
お義父さん、私をからかっているだけなんですけどね。

私に「お義父さん、ひどーい!」って言って欲しいのに、
全く動じずに「それ、褒め言葉ですよね?」って返すから、
「ちっくしょー」って言っていました(笑)