小学生の頃は毎日のように学校終わりに行っていた家。窓際の風鈴の音と、壊れ掛けの扇風機、
年季の入った家の木の匂い。
おばあちゃんのオホホと笑う口元を隠すシワシワの手と、威勢のいいおじいちゃんの話し声。
「本当にお肌がつるんこ!」
「あごがいいのよ〜」と私をじっくり見る優しい目。
あの時は力強く見えていたけど、今となってはどこか華奢に見えるのは私が大きくなっただけじゃない気がして。
次の盆休みはあの家で、写真と動画を撮ろうと決めた。優しい大好きな思い出は出来るだけいつでも触れられる距離に。
私が幼稚園の頃にお空へ行ったひいおばあちゃん。独特の強いパワーは私に引き継いでくれたと占い師の人に聞いた。
いつも作ってくれたいなり寿司が美味しかったことは覚えていても、
「三色ゼリーとプリンどっちがいい?」という声も今でははっきりと思い出せないことが切ない。
明日の朝は、家に行くたびに貰ってたバタースコッチの飴を買おうかな。
お線香の匂いであの温もりを思い出した、盆休み。
凜