かわいいハムスター


#自己紹介をゲームで語る

かわいいハムスターというゲームをご存じだろうか?

アラサー世代の女性の方ならピンときた方もいるかもしれない。ハムスターを育成するゲームだ。ゲームボーイカラー対応だから、それほど古いゲームではない。調べたらなかよしペットシリーズというもののひとつらしい。

どうして当時このゲームを買ったのかは思い出せない。同じゲームをやっていた友達がいたわけでもないし、中古でめちゃくちゃ安かったわけでもなく、誕生日プレゼントとかでもなかった気がする。特別ハムスターが好きというわけでもない。

じゃあどうして、このゲームを紹介しようかと思ったかというと、それはこのゲームが妙にクセになるゲームだったからだ。万人受けするおもしろさは決してない。でも、私はやっててハマったし、誰かにこのゲームのことを話したくなってしまう。

前置きはどうでもいいので、とりあえず、このゲームのクセになるポイントを紹介する。

かわいいハムスターのポイント

①ハムスターを飼うのではなく、宇宙人から預かるという謎の設定

ゲームは主人公の女の子の家にハムリンという名前の謎のお姉さん(のちに宇宙人と判明する)がやってきて、ハムスターをいきなり預けるところから始まる。1週間くらいで引き取りにくると言ってハムリンは去っていく。ハムリンが残した箱を開けると、そこにはハムスターと一通の手紙が「この子の名前はハム太郎です。可愛がってあげてくださいね」……そう、ハムスターの名前が自分では決められないのだ。プリンとかシナモンとか可愛い名前ならいいのだが、時にはロボ助とかボンレスなどという名前が勝手につけられている。ロボ助はロボロフスキーハムスターからきているのでまだ分かるが、ボンレスはダメでしょう……ハムはハムでも肉々しいハムになってしまう。

それでゲーム上の1週間(早くて30分かからないぐらい)が過ぎると、本当にハムリンがやってきて、預かったハムスターとはお別れになる。そして引き換えに新しいハムスターが置いていかれる。この時、預り期間が少しずつ伸びていく。最初は1週間ぐらいから始まるが、10匹目くらいになると3か月くらい預かっていられたと思う。

つまりこのゲームで、ハムスターは死なない。たまごっちとかは、キャラクターが死ぬし、お別れの音楽や画像もあった気がするけど、このゲームにはない。やさしくも歪な世界設定なのである。

ちなみに、ハムスターをハムリンに返すたびに、今まで集めたアイテムがなくなり、初期状態にもどる。「ハム太郎が好きだったおもちゃもケージも全部あげるねえ(涙)」という主人公のセリフと共に、全てハムリンの手に渡ってしまう。主人公のパパとママが気の毒で仕方ない。


②決して下がらない仲良しポイント

ハムスターのお世話をすると、仲良しポイントというものが貯まる。この仲良しポイントが貯まると、預かっているハムスターの仲良しレベルがアップし、ハムリンに褒めて貰ったり、新しいアイテムが増えたり、1日にできるコマンド数が増えたりする。

仲良しポイントはケージの掃除をしたり、ハムスターと仲良く遊んだりすると増える。例えばこんな感じで。「ハム太郎を手のひらに乗せてみたよ!ハム太郎は、とっても楽しそう!ハム太郎が嬉しいと、私も嬉しいよ!仲良しポイントが15増えた!」。

しかしこの仲良しポイント、どう考えてもマイナスな状況で、なぜか上がるのだ。トイレの掃除をサボっても、慣れないおもちゃでハムスターを疲れさせても、ハムスターが部屋の中で迷子になっても上がる。絶対に下がらない。例えばこんな感じだ。「ハム太郎を手のひらに乗せてみたよ!大変!ハム太郎を床に落としてしまった!ぐちゃ!(ハム太郎がぐったりしてるスチル)ごめんね、ハム太郎(涙)仲良しポイントが3増えた!」

欠けることがない月のように増え続ける仲良しポイント……イヤな思い出も仲良くなるには必要ってことなのだろうか……


他にもハムスターの毛並みやトイレの汚れ具合で占うハムスター占いとか、主人公とハムスターが仲良くなることでハムリンの母星が救われるとか、クセになる要素がいろいろあるゲームだ。

1年前、かわいいハムスターが懐かしくなった私は、ハードがない関係から別なハムスターの育成ゲームを買った。任天堂DSのハムスターと暮らそうは、画像もきれいだし、うさんくさいストーリーもないし、自分の好きな種類のハムスターを、自分で名前をつけて飼うことができる(なお、最初の1匹目はランダムなので種類は選べない)。ハムスターがやたら威嚇してきたり、ハムスター同士で喧嘩しまくったり、どんなに月日が流れても懐かないのはリアル過ぎる気もするが、かわいいハムスターよりも真っ当な気がする。

でも、私はやっぱり、かわいいハムスターがプレイしたい。

ゲームの世界にしか存在しないハムスターを可愛がりたいのである。

結局、何も自己紹介をしないでしまったが、要するに、かわいいハムスターは、私みたいなどうしようもないおばさんに、おすすめのゲームである。実家に帰ったら、今度こそ失くしたハードとソフトを探そうと思う。


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