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【エッセイ】スーパーで出会った小さな勇者・6歳の男の子が教えてくれたこと

毎年、母の日が近づくと思い出す光景があります。
それはもう10年も前のこと。
おそらく、これから先も忘れないでしょう。

仕事帰りに立ち寄るスーパーはいつも夕方は大混雑。
ある日、そのスーパーのレジの行列に、ひと際目立つ存在を発見。

6歳ぐらいの男の子がひとりで並んでいたのです。
周囲を見渡しても大人はいない。

「えっひとりで来てるの…」
私は心配になり男の子の様子を見守ることに。

男の子の手に握られていたのは一輪のカーネーション。

その日は母の日。
スーパーの店先には、たくさんのカーネーションが並んでいました。



きっと男の子は、ひとりでスーパーに来て
お母さんへの感謝の気持ちを伝えるために
カーネーションを購入しているのかな。

私は、迷子ではないという確信をしてからも
男の子が無事に会計できるか気になり
そのまま見守ることに。

男の子はポケットから100円玉を2枚取り出し
緊張しながらレジで会計を済ませました。

ほんの一瞬、男の子の横顔が見え
その表情は緊張して硬くこわばっていました。

男の子の視線は出口の方向をずっと見つめ
その緊張感は肩まで達し
細くて小さな肩が、力でさらに小さく見えた。

自分の任務に、どれだけ真剣であるかが伺えた瞬間。

カーネーションは力強く握られ
少し花が折れかかっていました…。

そのとき、私は男の子からもの凄い強い意志
伝わってきたのを覚えています。

ひとりで混雑したスーパーに来てレジで会計するという
怖いと感じる状況に立ち向かった男の子。

それが、すべてお母さんに一輪のカーネーションを贈るためと思うと
その勇気はさらに大きく感じて。

その純粋さと強さが混ざり合った無邪気な姿に心を打たれ
涙が溢れた。

私は店を出ていく男の子の背中が見えなくなるまで目で追っていた。

きっと…
何日も前からお小遣いを貯めて
お母さんのために心を込めて選んだ一輪の花だったに違いない。





その夜、私はスーパーの男の子が頭から離れませんでした。

一輪のカーネーションを受け取ったお母さんは
今、どんな気持ちでその花を眺めているんだろう…

きっと世界で一番幸せなお母さん。




あの日、スーパーで出会った男の子の小さな行動が
私に新しいことへ挑戦するときに立ち向かう勇気を教えてくれた。

彼の純粋さと勇気に満ちた姿は私の人生に深く影響している。

今でも新しいことに挑戦するとき
私はいつもスーパーで出会った小さな勇者を思い出す。













その男の子の小さな背中は
私に新しいことへの挑戦という大きな壁に立ち向かう勇気を教えてくれました。

彼の純粋さと勇気に満ちた勇者の姿は、
私の人生に大きな影響に。


新しいことに挑戦をするとき
私はいつもスーパーで出会った男の子の勇気を思い出す。


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