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底辺なあなたでも50万円稼げます!? 委託ドライバー宅配業!負けっぱなし人生、最後の挑戦!?勝てますか。

委託宅配ドライバー業界

2022年6月、宅配業務には大きくわけて4つあると考えられる。
ヤマト運輸、佐川急便、郵政、アマゾンとある。
2020年~21年のデータでは、ヤマト運輸の「宅急便(42.0%)」、佐川急便の「飛脚宅配便(29.3%)」、日本郵便の「ゆうパック(22.7%)」の上位3社によって、市場全体の94.0%を占めているといったデータがある。
これを見て「ヤマト運輸一本だな」と考えるだろうが、事はそんなに甘くない。委託ドライバー切り、エリア問題、そもそも募集していないなど、様々な問題がある。ヤマト運輸の委託枠は少なく、私の地域では、どこに行っても勧められるのは佐川急便であった。一番委託業者の実入りがいいのだろう。また私が回っていた地域ではヤマト運輸の委託ドライバーは、他社委託業者でも一台も居なかった。アマゾンも一応あるが、私が面接した時は日給1万3000円程度で、それよりは佐川が良いでしょうのような事を言われる。そこから勉強不足なのであるが、いくつか面接にいくと、似たような事をどこも言うので、大方引かれるパーセンテージなどで決められる事でしょう。

まず50万円稼げます!といった募集広告をたくさん見るでしょう。そこでみんなが思うイメージは、頑張ったら通帳に50万円振り込まれる事を想像するでしょう。しかし50万円振り込まれるには一体いくつ運べばよいのか。
まず始める前にどれだけの人が考えているのでしょうか。

佐川急便委託ドライバーで50万円振り込まれる為に必要な月個数

委託料    10%
リース車 33000円
保険料  20000円
事務手数料10000円

委託会社に引かれる金額は基本だいたいこんな感じでしょう。
もう少し安いところもあれば、もっと高いところもあると思います。63,000円が引かれる+配った数の10%が更に引かれる事となります。
佐川急便の単価は基本150円です。地域によって160円だったり、水が200円だったりします。委託会社に引かれる63000円を差し引いて50万円振り込ませるのに、563,000円分の売り上げがまずは必要です。
563000円÷150円=3753個
一日当たり150個×25日で達成できます。
しかし10%引かれるので1.1倍+した個数を達成しなければ50万円振り込まれません。

1.1倍は4128個です。25日で割れば約165個です。
月25日間、毎日165個を切らないように配達完了出来れば50万円以上が振り込まれます。ここで配達完了と言っているのは、お客さんに配達して初めて150円の売り上げが立ちます。200個持って行っても、250個持って行っても配達を完了させなければもらえません。
そしてこの一個150円だったり170円だったりする金額。
大手は当然大手なので法令遵守に準じて、これに消費税を支払い委託業者に支払う。1個辺り150円なら165円だ。
つまり10%しか委託料かかりませんと言っている委託業者は、150円の10%を取ると謳い、実際大手から入っている消費税は黙って貰うので20%を抜かれていることになる。その違いは4128個配り終えて\61,920-の違いが生まれる。

 朝AM8:00から配り始めて1時間平均20個配るぞ。昼休憩1時間、2便目に1時間、21:00まで配達できる時間は11時間。だから220個MAX配れるぞ!
150円で\33,000の売上になるぞ。結論から言えば、なる確率は限りなく少ない。まずエリアやイレギュラーを全て度外視しても朝8:00から21:00まで同じペースで配れるわけがない。例えば12:00から16:00くらいにずっと家にいること自体、お年寄り以外少ないのだ。アパート住人は、最悪21:00に行ってもいないお客さんが多数いる。新興住宅街も、見渡す限り同じような一軒家に住まわれるお客様も、おそらくほとんど所得がどっこいどっこいだと予想される為、共働きの確率も上がり奥様の帰宅時間もほぼ夕方以降に集中する。朝入れた不在票を見て、ネットで再配達が変な時間に入ることもあれば、電話で長々と話し続けるお年寄りもいる。中には居たのになぜ帰ってしまうのだとお怒りのお客様もいる。最後少しイレギュラーを入れたが、兎に角一筆書きでスムーズに進むことなど稀な事。時間を取られる原因となっていくのだ。

 どうですか、朝6:00~6:30に倉庫に行って、急いで積み込んで、21:00までに25日間毎日165個。配れると思いますか。また毎日165個配達を完了できるエリアが貴方の元へ来ると思いますか。
募集広告に正当な嘘のない広告にするのであれば、頑張り&運が相当良ければ50万円稼げます!が正解である。現在の委託業界はこれが実情である。

YouTubeや、成功体験を見る前にダメな例を探せない心理

まず宅配ドライバー50万円稼げます!と広告を見て、話を聞いてみようかなと思った時、多少なりやった事のある人が周りにいない場合、ネットで調べたり、YouTubeを見て体験談を知ったりすると思うが、冷静になって考えてほしい。なぜ宅配ドライバーに興味が沸いた時にYouTubeや成功体験記事を見るのか。それは自分の考えが間違っていない。この広告は正しい。と共感と、安心を得たいからである。それは下調べではない。ただ、YouTubeの済生回数を見ても、「50万円超えました」とか、「一日200個配る方法」などが再生数が伸び、「宅配の闇」みたいな動画の再生数はそんなに伸びない。予想であるが、一日200個配る方法などを見るのは、これからの人と、現役の人、「宅配の闇」を見る人は、委託業者が惨く、被害にあった人か、これから辞めようかと思っている人の数が過半数ではないかと予想できます。
私の場合は宅配が副業で、普段は中古車ブローカーをやっているので辞めても、なにも他にやっていない人に比べればリスクヘッジはできるが、これだけで生計を立てようと思ったら、確かに「自分の選択肢は間違っていない」と思いたいのもわからなくはない。時には背中を押してほしい時もあるのだろう。YouTubeに力を入れている人を見れば、キチンと経費などの説明も出ているが、それは最初の時点で車を用意できる人の経費であることが殆どである。それでも実際見ればそんなに儲からないと予想できる内容であるが、恐らくあまり見てもいないのであろう。

ようこそ底辺な僕らの最後の仕事!委託ドライバー業界へ

「こんにちはー。ヤマト運輸でーす」「おはようございます。佐川急便でーす」元気溢れる挨拶で気持ちよくお品物を渡す。こんな人たちから、この人たちのプライベートなど令和の今では想像もつかないだろうが、そもそも昔、トラックドライバーや配送業をやっている人でまともな人など一人もいなかった。元暴走族やら前科者やら「低学歴でもそこそこ賃金がもらえる」そういった仕事だった。その教育たるやヤマト運輸にしても佐川急便にしても、さぞ大変だったであろうと想像がつく。明るく、清潔感のある業務を徹底させているだけで、元々はチンピラ上がりが集まる、悪の巣窟からギリギリ社会に順応していたような集団である。しかしそれはお客様の前と運転している時だけで、元チンピラ集団ができる限界はそこであり、普通に役職のある者が、新人社員を恫喝、ハラスメント行為、大きな声で朝一から歌を歌っている50代の社員、割れ物以外バンバン投げ飛ばしている社員などざらにいる。また離婚者が異様に多い。男女共々離婚者だらけである。また50になっても新人や若いドライバーをイジメる委託ドライバーもいる。「挨拶がねぇ」とか、「あいつは社員とデキていて気に入らねぇ」とかおよそ大人がやるような事ではないような事が、40越えたおっさん共で繰り広げられている世界。朝の話の内容も「昨日○○というラーメン屋に行った」や「昨日の配完(配達完了)何個」のような代り映えしない会話。人とあまり会話しない者も独り言で「こいつ、いねぇのに注文すんなよ」や、「絶対不在の奴だ。ほんと行きたくねぇ」とブツブツつぶやいている者もいる。それはそうだ。朝6:00~夜21:00くらいまで殆ど車の中で過ごしているのだ。意識的に外部から情報を得ようとしなければ、会話も変わらない。もはや刑務所状態である。それでいて、途中午後の荷物をとりに帰れば、競艇やっている人もいれば、昼寝をしている人もいる。倉庫で出発前に酒を飲んで、契約解除となった人もいる。5~6日位無断欠勤して、「明日来なかったら解除」というと来るが、配達荷量が凄まじくてもこなせる人もいる。これが底辺最後の職場。委託ドライバーの現実であり、様々な世の言う底辺職に準ずる配送員群像を見ることが出来る。

かかるのはガソリンだけではない!広告に書いてある頑張り次第のレベルを異常なまでに上げなければならない現実

私の最高積み込み個数は190個くらいであったと思う。
配達完了の最高個数は168個である。可もなく、不可もなくまぁ多いかなといったレベルだと思う。ヤマトで委託ドライバーが出来ている人や、恵まれているエリアを任されている人からみたらむしろ普通じゃないという人もいると思う。だが、私の住む地域でこの個数を出すには普段任されるエリア+半分。つまり1.5エリア撒いて得た個数である。

私が任されているエリアだけだと80~120くらいが平均である。
他のエリアも80~120くらいが平均値。しかし一番最初のデータ通り、1丁目から3丁目程度で100個配れるのはヤマト。1丁目から6丁目まで配って佐川は100個といったイメージがわかりやすいかもしれません。そして私がやっていたのは隣町も半分配って平均150~160個程度であった。そうなると移動距離も増えるため当然ガソリン代も増える。月に約75,000円がガソリン代として飛んで行った。売り上げは24日稼働で50万ちょっと、10%の5万円とリース料、ガソリン代引いて30万弱しか残らない計算である。そこから私は更に自分のガソリンも節約する事となる。飯は夕飯だけ。飲み物は、家から持参したペットボトルに水出しのお茶を入れて補給。大好きなラーメン屋にもいかず、ひたすら空腹と戦いながら160個近い荷物をAM7:00からPM7:30くらいまで運んでゆく。そこまでやって30万円です。そこから、家の光熱費やローン、国民健康保険やらなんやらが差し引かれていく。いくら残りますか。30万円の手取りから。私の任されたエリアは他にも当然隣接したエリアもあり、委託ドライバーは他に6人いた。他は100個程度であり、そこから重い荷物、大きい荷物、行きたくない荷物を逆走と言い、トラックで運ぶ社員に返却していた。その逆走もなるべくしないようにしても30万~36万くらいが関の山であった。
そもそもエリアの拡大も、自分の少ないエリアである程度ミスのないよう実績を作り、社員が担当しているエリアを少しずつ分けてもらい、更に実績を作り、ようやく1.5エリアを任せてもらえるようになった。

つまり【 50万円稼げます! 】を【 頑張り次第! 】で佐川急便のルール&クソエリアで、近づけるためには

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