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本屋

今通っている病院は、私が20年くらい前に働いていた会社のすぐそばにある。
最初に病院に行った時、20年とほとんど変わらない街並みに驚いた。同僚たちとランチによく通ったレストランもしっかり残っている。
こんな機会がなければ多分一生再訪することのなかった場所だ。

前回通院した時、一緒に来てくれた姉をそのレストランに連れて行った。
その途中、これもまた以前と変わらない佇まいのボロボロの本屋さんが残っていた。
懐かしくなって「ここも昔からあるんだよ」と言うと、姉が「いいなあ、こんな本屋で働いてみたい」と言うので思わず笑ってしまった。
姉は本が好きで、大手の書店に結構長く勤めていた。
こんなに近くの本屋で本当に姉が働いていて、通院帰りにちょっと顔を見れたりしたら心強いかもしれない。
そう言えばあの本屋さん、20年前からボロボロだったよなあ。

前に卵巣がんで入院した時、そこの病院の売店にも少し本を置いていた。
でもあるのは宮部みゆきの時代捕物帳とか藤沢周平とか、そんなのばかり。あとは西村京太郎とか。
別に嫌いではないけど、入院中ぐらいは辻斬りとか殺したとか殺されたとか、そんなんじゃない話が読みたいなあ。
病院の一階が本屋だったらきっと楽しいのに。
あとは地下が映画館だったら最高だね。
でも映画にでてくる元気で楽しそうな人の姿をみたら、寂しくなっちゃうかな。
どっちにしても治療でお金もかかるし、本屋で散財している余裕なんてないか。

今一番続きが気になっているのは大友 克洋の「東京ヒゴロ」。
10月末に3巻が発売になるって知って、Amazonで予約をポチろうとして考えてしまった。
10月末、家にいるのか病院に入院しているのか。
微妙なタイミングだ。
でもやっぱり買っておこうかな。