遊びの中から生まれる身体表現という発達/小児はり☆
子どもが幸せな世の中がいい
『逝きし世の面影』という書籍があります。
江戸時代末期から明治時代に日本を訪れ滞在した外国人の記録や日記をもとに、その時代がどんな時代だったかを考察した、たいへん面白く、貴重な資料がちりばめられている内容の書籍です。
その第十章に「子どもの楽園」という部分があります。そこに書かれている文章を紹介して、今回の書き出しとさせていただきます。
「私は日本が子どもの天国であることを繰り返さざるを得ない。世界中で日本ほど、子どもが親切に取り扱われ、そして子どもために深い注意が払われる国はない。ニコニコしている所から判断すると、子ども達は朝から晩まで幸福であるらしい」
この言葉を残したのは、アメリカの動物学者の エドワード・シルヴェスター・モースです。その著者『日本その日その日』という滞在録の中の随所に繰り返し、この言葉が出てくるそうです。
ちなみにモース氏は大森貝塚を発掘した、日本の人類学・考古学の基礎を築いた一人だということです。
子ども達の表情が朝から晩までニコニコしていて幸福な国は=いい国なのだと思います。そして、そこには元気で健康で活発であることが必要なのだと思います。
その子ども達の健康に寄与できる”小児はり”を学ぶ上で、私は「遊び」による成長や健康づくりは重要であると考えています。
今回は、保育という面から、保育士さんが行う「身体表現の保育」について学びたいと思います。子どもを観察するという点ではスペシャリストの仕事ですから、小児はりを行う鍼灸師にも学ぶ点が多くあるのではないでしょうか。
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