七戦のしおり~歴史編~
これさえ読めば七戦に参加できる、便利なしおりです。このしおりを読めば、七戦の世界「虚空領域」でかつて何が起こったのか、一発で分かり、ロールを行ってもキャラ間で齟齬が起こりにくくなります。ぜひご覧ください
そもそも七戦って?
七戦、つまりは七月戦役とは、定期更新型ネットゲームです。オリジナルキャラクターを登録し、動き出す時代の中、それぞれのキャラを動かし、戦わせ、生き延びていきます
七戦の世界っていったい?
七戦の世界である虚空領域は、海の世界です。小さな島が点在するほかは、世界の中心にとてつもなくデカい塔が立っているくらいです。この塔は、地球で言うと、筑波山くらいあります。それでは、虚空領域を楽しんでいきましょう
ザッ……ザザーッ
先祖代々、皆は船、多くは空母に乗ってゆらゆらと暮らしていました。この空母がどこから来たのか、いつから乗っているのかの情報は、だいたい失われています。たとえ知っていたとしても、眉唾として受けとめられるでしょう。誰も知らないのですから
そして、悲劇へと突き進む世界
ところが、人間あるところに争いあり。いつからか、人々は最強の力を求めて新たなる新兵器の開発競争を始めました。それこそが、「重粒子粉塵兵器」の研究です
この重粒子粉塵兵器は、いままで活用されていなかった「粉塵」という微粒子を圧縮荷重し重粒子として活用することで、信じられないエネルギーを生むという、次世代の技術でした。いままで粒子や重粒子と言えば、水の粒子を利用していたのですが、それを水ではなく、粉塵という微粒子でやったら……というもので、知識人や兵器マニアなら知っているかもしれません。一般人はヤバい兵器くらいの認識です
かつての世界
およそ30年前、重粒子粉塵兵器がまだ実験段階だったころ。空はまだ青く、海には生き物が溢れ、人々は慎ましくも豊かに暮らし、太陽は照っていました。遥か昔から大気中に存在する粉塵粒子は危険な毒性を持っていたものの、現象と言えば雲や霧などの水粒子と反応してかき消してしまうくらいで、そこまで悪影響はありませんでした
雲なき世界、霧のない世界、晴れ渡った青空がどこまでも広がる世界でした。
悲劇の始まり
そこに現れたのが、「重粒子粉塵理論」であり、それが予言したのが「重粒子粉塵兵器」でした。世界を3つに分ける勢力、真紅連理、翡翠経典、青花師団は、開発競争に乗り出し、各地で重粒子粉塵投射実験を繰り返しました。そのころから、世界に異変が起きてきました
重粒子粉塵投射実験
この実験は、重粒子粉塵レンズが生み出す真紅のビームを投射する実験であり、これをビーム砲として運用するための実験でした。ところが、このビームはあまりにも強力すぎることが分かってきたのです。ひとたびビームが放たれると、亜光速でビームが飛び、射線上の全てを消滅させ、その後に高濃度の粉塵をばらまくという、すさまじいものでした
実験の犠牲
実験場近くや射線付近には高濃度の粉塵が降り注ぎ、多くの人々が防護服すら貫通して死に至りました。海は次第に汚染され、空もまた、奇妙な虹色に照らされる赤い靄が漂うようになってきたのです。海面には生き物の死体が浮かぶようになりました
止まらない競争
しかし、転がりだした岩が止まらないように、各勢力は実験を続けました。この重粒子粉塵ビームを最初に制御したものが、世界の覇者になることは明らかでした。そして、そんな中、そんな世界を救おうとする若者たちがいました
5人の若者
若い5人で組んだフリーの発掘チームがありました。多くの人々は世界中央にあるタワーから数々の発掘品を手に入れ、それを物々交換して、日々の糧としていました。5人の若者も、そういった発掘者たちとして、タワーを採掘していたのです
謎のフレーム
5人の若者は、それぞれ重粒子粉塵投射実験の影響で母艦と家族を失い、日々の発掘でやっと生きていました。重粒子粉塵投射実験への恨み、世界への不安を何とかしたいと思っていました
ある日、5人は謎のフレームを発掘します。それは真っ赤に錆びていて、頭部や操縦棺がなく、不思議な機構で……稼働していました
ロボット
虚空領域には、ロボットがありました。それは遺跡から発掘されるもので、人の形に似ていて、操縦棺という操縦席を持っていて、自由に動かすことができるものです。しかし、そのフレームは今まで発掘したどのロボットよりも奇妙で、ねじれていました
5人はきっとこのフレームは特別なロボットだと思い、全財産をかけて、フレームを修理しました。その結果、未知なるロボットが姿を現したのです。5人はこの未知なるロボットに「グレムリン」という名を与えて、傭兵として戦いながら、量産のための開発資金を集め始めました
グレムリン
5人はグレムリンの性能に恐怖しました。グレムリン1号機、ゴースト・グレムリン《ヴォイドヘッド》は、まさに無敵だったのです。まず、通常の兵器では一切触れることすらできない最強の防護領域【ゴースト・シールド】。視界に捉えただけで敵が爆散する【ゴースト・キネシス】。そのほかにも、数々の信じられないような機能。そして、その強さを身をもって知ることになります
死の実験
5人は《ヴォイドヘッド》に乗って世界を戦い歩き、資金を集めていきました。そんな中、グレムリンの性能に目を付け、支援を申し出てきたスポンサーがいたのです。5人は喜んで、スポンサーのいる船に向かいました。そこで……重粒子粉塵投射実験に巻き込まれたのです。視界の全てが赤く染まり、消滅しました。しかし、《ヴォイドヘッド》は生き残りました。ゴースト・シールドが、辛うじて、その光を防いでくれたのです。しかし、シールドに護られた5人以外は消滅し、生き残った人たちも、粉塵の毒を浴びて血を吐き死んでいきました
5人は思い出しました。粉塵への怒りと……復讐を。そして、世界を救う使命を
グレムリン量産計画
《ヴォイドヘッド》の生還は最初5人以外知ることもありませんでした。そこで、このまま世界を欺き、グレムリンを量産する計画に着手しました。スポンサーと資金を結集して、離れ小島に秘密の軍事工場を建設し、グレムリンをおよそ100機弱生産することに成功したのです。そして、そのパイロットを秘密裏に募集し……『グレムリン大隊』を結成したのです
第一次七月戦役
いまや5人の指導者となった若者たちは、自らをケイジキーパーと名乗ります。そして、チャンスを待ちました。しかし、世界は待ってはくれませんでした。グレムリン大隊を結成して間もなく……重粒子粉塵兵器の完成を待たずして、現在より23年前、世界大戦である第一次七月戦役が始まったのです
開戦の理由はもはや曖昧となり、連日激しい戦闘が繰り広げられました。もはや重粒子粉塵兵器の投入は時間の問題と察したケイジキーパーたちは、翌年、22年前にテイマーズケイジを発足。全世界に向けて、グレムリン大隊による宣戦を布告しました。
テイマーズケイジ対全世界
当時の勢力はみなテイマーズケイジの正気を疑いました。100機にも満たない機体で、世界を相手取って戦いを起こしたのですから。しかし、その認識はすぐに改められました。ミサイルが当たらない、射程外からの不可視の攻撃、主砲を弾く力場……今となっては伝説として語られる、グレムリンによる一方的な蹂躙が始まったのです
毎日のように世界中の勢力の船が沈められ、ロボットや航空機は次々と撃墜されていきます。ケイジキーパーたちは、勝利を確信しました。しかし、悪夢はもう目の前にやってきていたのです
重粒子粉塵殲滅戦艦
焦った世界中の勢力は、とうとう禁断の力に手を出します。そう、とうとう重粒子粉塵兵器が実戦投入されたのです。あまりにもグレムリンが強すぎたため、実験の完了を待たずして、試験投入されていきました
それこそが、重粒子粉塵殲滅戦艦でした。重粒子粉塵投射砲を搭載したこの戦艦は、グレムリン大隊に向かって真紅のビームを次々と発射、大隊に初めて、壊滅的な損害を与えることに成功したのです。ほぼ完成と言っていい重粒子粉塵兵器は、ゴースト・シールドと言えど防ぎきるのは難しく、多くのグレムリンが消滅、あるいは大破しました。しかし、全滅にはまだ遠く、グレムリンは反撃を開始します
世界の行方は……
世界、そしてテイマーズケイジ。激しい戦いの末に、決着がつきました。そう、今から16年ほど前に全世界がテイマーズケイジに降伏。7年の戦争に終止符を打ちました。そして、新たな秩序が生まれたのです
しかし、その代償はあまりにも大きすぎました。乱用された重粒子粉塵兵器は、世界を破壊しつくしてしまったのです
海は汚染され、海の生き物の9割が死んだとも言われています。大気は汚染され青空は消え、真っ赤な赤い渦のような靄が視界を埋め尽くし、時折靄の切れ間から虹色に乱反射する光がさしています。この靄は全て猛毒の粉塵です
島に息づいていた植物はほぼ全て枯れ、いまはバイオ生成された植物を植林したものが生えています。粉塵は生き物の姿を歪め、粉塵世界に適応した奇妙な生き物だけが、バイオ生成された植物を食べて生きています
そして、多くの船が沈みました。多くの人々が死にました。ほんの16年と少し前の話です。若い少年や少女は知りません。30年前、この世界がどれほど美しかったのかを
我々は、繰り返してはいけません。この悲劇を。我々、テイマーズケイジは世界を救い、維持する使命と責任があるのです
ザザッ……ザザーッ
――テイマーズケイジのロビーに流れていた、デモ映像より