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【GM進化論】定期ゲーGMになるために

システム面の構築方法は偉い人が凄く偉いので、私は「ゲームそのもの」ってどういう感じに作っていけばいいか、書いていこうと思います

進化するゲーム

ゲームは最初から完成品ができるわけではありません。絵だったら落書きから始まって、基礎を積み、やがて完全な絵を描けるように。ゲームも「落書き」があります。その落書きって、どういうものでしょう

人類の進化と共に成長するゲーム

古代の人類はどうやってゲームを作ったのでしょうか。一つの大発明があります。それは、ダイスです。ダイスは最も最初の頃から存在している、乱数発生器です。なぜ最初の頃から存在しているのかというと、それはゲームの最も重要な位置に添えることが可能な、基礎中の基礎だからです

これがないと話にならないゲームも多いです。なので、ゲームをどうやって作っていいか分からない人は、ダイスを使って、「落書き」しちゃいましょう

ダイスゲーム

1D6を振ります。その前に、1から6まで連なったダイスロール表を用意しましょう。テーマを決めて、1/6の確率で、何かが起こる。それが、最初のゲームです

どこかで見たようなシステムですね。そう、チャット式ゲームでのダイス遊びです。これを無限に進化させたものが、定期ゲーなのです!!

いきなり飛躍すると途方に暮れるので、いったん忘れてください。とにかく、ダイスの結果によって結果が分岐する。それが、ゲームの基礎の一つです

そのままダイス判定を無限に複雑にするのですが、どうやって複雑にしていけばいいのでしょうか

いくつか段階を経ることで、ダイスゲームは定期ゲーへと近づいていきます

最初の段階は、ダイスゲームにロジックを追加することです

ダイスとロジック

例えば、こういうダイスロール表があったとします

1:火星に旅行する
2:つまづいて怪我をする
3:ラーメンを食べる
4:……etc

脈絡がないですね。キャラを動かそうとしても、これではゲームっぽくないし、優柔不断なのをダイスで決めているようです

これにロジックを追加します

まず、テーマを用意します。キャラに方向性を持たせるのです。例えば、ご飯を食べるたびにダイスを振る、という「法則」を追加します。ダイス表は、以下のようにします

1:食べ物が黄金に変化する
2:食べ物がおいしくなる
3:食べ物がぱさぱさに乾く
4:……etc

これでかなりゲームっぽくなりました。何が変わったのかというと、まず……

・キャラには特徴がある
・キャラの特徴による行動に連動してダイスが発動する
・ダイスの結果、行動が分岐する

これが、定期ゲーの正体です!

もう少し実態に即すると、

・キャラには、プレイヤーの意図する動きがあり
・その結果が乱数か何かで分岐しており、予定調和とならず
・予想外の幸運や不運を期待しながら、結果が出力されるのを待つ

ということです!!

ロジックの複雑化へ

定期ゲーを作るうえで、大切な要素が出てきましたね。「プレイヤーの意図に沿う動き」「動きに対応して発動する分岐」「その結果起きる幸運や不運」です

この最小単位をめちゃくちゃ考えて、好きなだけ積み上げることで、豊かなゲームになっていきます。積み上げすぎると難しいゲームになり、低く抑えるとシンプルなゲームになります

プレイヤーにさせたい動きって? その動きはどういう分岐が発生して、どういう結末をもたらす? それをずっと考えて、実装していくのです

例えば勇者がいて、スキルを撃って、敵を倒すだけのゲームは味気ないですね。敵のHPと勇者のHPが減るのを眺めるだけで終わるのはもったいないです

勇者に何をさせましょうか? 説得とか。いいですね。説得スキルをセットすると、どういう展開が起きますか? 知性の高い敵なら和解するかもしれません。知性の低い敵なら、関係なく殴ってきます

ここで説得判定が発生し、幸運が起きると、戦闘を避けられてアイテムまで貰える、説得に失敗すると手番を失い敵の先制攻撃を許してしまいます

プレイヤーは説得できる敵を選び、説得が成功するかどうかドキドキする定期ゲーの楽しみを味わえます

こういう動きをゲームのテーマに沿ったもので揃えていけば、もう完璧な定期ゲーまであと一歩です

意図の相互作用

せっかく定期ゲーにキャラを持ち寄って登録してもらったので、キャラを交わらせたいですよね。それに必要なのが、意図の相互作用です

あるキャラがしたい動きと、別のキャラがしたい動きが噛み合ったとき、より利益のある結果を生むようなシステムです

例えば、戦士をやりたいキャラと、魔法使いをやりたいキャラがいたとします

双方が同じようなHPと攻撃力だと、組んでも面白みがありませんね

ここで戦士のHPを高く、魔法使いの攻撃力を増やしてみます。戦士は高いHPで敵の攻撃を引き付けたいという意図が生まれます。魔法使いは倒れたくないので、攻撃を避けたい意図が生まれます。二人の意図が噛み合って、より強くなり、二人はやりたい意図を実現し、良い体験を生みます

まとめ

小難しいことを言いましたが、要は、プレイヤーがどういうことを求めているか考えて、それを幸運にも上回ったり、不運にも下回ったりする分岐を用意する、ということです

定期ゲーの全体像がつかめないときは、いくらでも最小単位に戻って、最も単純な基礎から考えてみましょう

人間には欲求があります。それをすくい上げるのが、定期ゲーGMの最も重要なセンスだと思っています

1D100でテストの点数を決めるのは、最初の最初です。誰もがそこからゲーム作製をスタートしています。その分岐の結果、誰のやりたいことを叶えてあげられるかが、最も難しく、最もやりがいのある、最も遠き、楽しき道なのです

私は人間の心を学んでいる途中です。いままでも、そしてこれからも、ずっと……願わくば、私と共に人間の心を学び、定期ゲーのGMになろうと志してみることを!!

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