バイクで脳トレ

興味深い実験があったのでしょうかいします。

ニンテンドーDSのゲーム「脳を鍛える大人のDSトレーニング」で知られている川島隆太教授により、ヤマハの要望で、「バイク運転で脳が働くか?」というテーマでバイクと脳の関係を科学的に検証する調査が行われました。

川島教授はバイク好きとして知られており、これまで自動車の運転に関する実験が行われてきましたが、二輪車では世界初の実験であると述べています。

バイクの運転中に脳の活動を測定するためには大型の計測器が必要であり、二輪車の積載量では実験が難しかったのですが、日立製作所基礎研究所が開発した携帯型光トポグラフィ技術試作機によって、バイクを運転しながら脳の活性化を測定することが可能になりました。

最初の実験では、現役ライダーと元ライダーの脳の活動を比較しました。現役ライダーは運転中に脳が活性化され、集中力が高まることが示されました。一方、ブランクがある元ライダーでは一般的な認識とは異なり、普段から運転しているライダーの方が脳が活発に働いていることがわかりました。

2つ目の実験では、10年以上運転していない健常者を対象に、自動二輪車の運転が脳機能に与える影響を調査しました。実験の結果、自動二輪車を使用することでさまざまな認知機能が向上し、特に記憶力や空間認識力が高まることがわかりました。また、被験者のメンタルヘルスも改善され、ストレスの軽減や精神的な良好な状態が報告されました。

川島教授は、バイクを運転するときの脳の働きは単純な楽しさだけでなく、なんらかの働きがあると考えています。また、川島教授は質疑応答の中で、バイクに興味があるから楽しいと感じるのは一時的なものであり、2か月間も続けて楽しいと思い続けることはできないと指摘しました。そのため、今回の実験では2か月間の長期的な観察を行いました。バイクを運転する際の脳の活動は、バイクが好きという感情だけでなく、他の何らかの作用が起こっているはずだと述べました。


さらに、「なぜ二輪車なのか?自動車の運転でも同じ結果が出るのではないか?」との質問がありました。川島教授は、以前にも自動車に関する研究結果があると述べましたが、自動車は非常に快適な乗り物であり、脳の活性化は起こりにくいと指摘しました。脳が活発に働くのは、踏み切りを通過するなどの特別な状況下であり、二輪車の運転時の脳の活動とは明らかに異なると述べました。


川島教授は最後に、自動二輪車を生活の中で使うことによって脳と心にポジティブな影響を与えることができると結論づけました。バイクはスマートエイジング(年齢と共に人生が豊かになっていくこと)に効果的な乗り物であり、日常生活で二輪車を運転することは、「脳を鍛える大人のトレーニング」の一環となる可能性があると述べました。

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