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昨日の長崎原爆忌に人の愚かさと美しさを思う

台風9号から変わった低気圧は日本海から東北地方を横断しています。東京では一晩中強風で雨戸が揺れてうるさく眠れませんでした。不意の突風に煽られて想定外のケガをされませんよう、お祈りしています。

さて……

8月9日は長崎の原爆忌だった。ただ、同じように多大な人命が失われたものの、どうしても広島の方に注目が集まりがちである。やはり2番目というのは、そういう点で差が出てしまう。

もっとも、注目が集まるにしてもこのような悲しいできごとはそもそも起こるべきではないという感情も湧く。だからこの件については、ひとことでは語り尽くせないもどかしさを感じる。

長崎は坂の街というが、要は平地が少なく丘が連なる地形である。かつてはそのような長崎に大雨が降って、水害となったこともある。人口も河口に開けた広島ほどではない。

そういうところに原爆が落とされた。すり鉢状の地形は、被害の拡散をある程度は抑えただろうが、その分、中の被害は強まったのではなかろうか?

朝ドラの前々作『エール』では、被爆直後の長崎を取り上げていた。これは良い着眼だったと感じている。

『エール』に登場した永田医師のモデルは永井隆という長崎医科大学の医師で、自らの放射線研究により原爆投下前に既に白血病を発症していた。その彼は医師として、まさに命を懸けて被爆直後に被災者の救護活動を行った。

多くの人が住む都市の破壊を狙って原爆を投下した人がいて、その大きさに翻弄されながらも人を救おうとした人がいた。人間は哀しく愚かであるが、それでも尊く美しい。

ナチスドイツへの対抗手段として原爆の開発を行った科学者には、ユダヤ人も多くいたと聞く。かつて杉原千畝が命のビザを発給した日本に原爆が投下されたと聞いた時に、彼らはどのような感想を抱いたのだろうか?

76年前の満州では『大地の子』のモデルとなったソ連の侵攻が始まっていた。いろいろな思いが湧き起こる終戦記念日に向けての一週間である。

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