遅れた墓参りで見たくないものを見た(お彼岸過ぎに知る自然の営み)
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さて……
梶井基次郎はかつて「櫻の樹の下には、屍体が埋まっている」と書いた。お彼岸に墓参りできなかったこともあり、昨日に遅い墓参りをした私は「落ち葉の吹きだまりには、芋虫が蠢いている」と書かざるを得ない。
何をグロなことを…と感じる方もおられることだろう。確かに、私も昨日の経験がなかったら、そう感じる側の一人となっていたと思う。
でも、墓所の雑草を抜き、囲いと墓碑の間に吹きだまっていた落ち葉を捨てるため、その上層部分を掴んで持ち上げたら、そこには少なからぬ芋虫がウニョウニョと蠢いていたのである。
想像であるが、彼らは恐らく落ち葉の中で越冬するつもりだったのであろう。吹きだまりの落ち葉は何層にも重なり、寒気を遮断してくれる。
そこに身を置いて、春まで己の生命を繋げば成虫になれると考えて(厳密にこのように言語化しての思考は芋虫には無理だと思うが、彼らなりのインスピレーションで)落ち葉に身を託したのだろう。
そう考えると、彼岸を過ぎた私の墓掃除は、彼らにとって無粋なものだったかも知れない。しかしながら、私自身も素手で芋虫を触れるほどの慣れも根性も持ち合わせていない。
掴み取った落ち葉はゴミ袋に入れて処分したものの、後はそのまま放置してそそくさと墓参を済ませるほかはなかった。
見渡せば、落ち葉の元となる木の葉はほとんど枯れ落ちていた。芋虫たちが、当方が捨て去った分の落ち葉を新たに補充できたかは、疑わしい。
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