転機となる骨折①


老人、とりわけ老女の骨折は高確率で発生する。

子どもを産むと、体内で子どもを育てる時にカルシウムを取られるというのは俗説で、閉経後のホルモンバランスの変化により骨量が減っていく、男は元々骨太なのでその分マシ、という理解をしている。

私の母は、一度骨折を経験しており、整形外科で骨を強くするための注射というのを何年も打っていたのだが、父の死後1年で転倒して大腿骨を骨折することとなった。

慌てて駆けつけた姉と私は、「あの注射って何か意味があったのか?」と顔を見合わせるしかなかった。そして、その後治療で1ヶ月、リハビリで1ヶ月半の入院生活を余儀なくされた母を見ていると、バリアフリーではない自宅での独居は、もはや無理だと考えるようになった。

そのため、それまで訪問介護でお世話になっていたケアマネに相談したところ、たまたま実家の近所の老人ホームに空きがあるとの情報を得て、すぐさま予約を入れて姉と訪問し、まあ、ここなら良かろうと思い、退院後はそちらに入居することを考えた。ただ、ここからが難関であった。

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