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日本企業の衰退は「目黒のさんま」化に一因がある

台風が近くをかすめ、或いは通過しつつある昨今ですが、気をつけてお過ごし下さい。

さて……

日本企業の衰退が叫ばれて久しい。

その理由を考えると、パラダイムシフトを起こすような革新的な技術が出てきていないことに行き着く。

今、世界を席巻しているGAFAは、いずれも日本企業ではない。しかし、これらの会社は、それまでの生活様式、もっと言えば既存の概念を根底から覆すような新しい製品や仕組みを生み出した。

この差は、どこから生まれたのだろう?

思えば、日本はカスタマイズとブラッシュアップは得意だけど、新しい生活様式を提供した例は意外に少ない。それができたのは、ウオークマンとウオシュレットくらいのように思う。

最初に道を切り開きグローバルスタンダードを作り上げれば、多大な利益を得ることができる。但し、それには当然リスクも伴う。これをやり遂げようという気概と覚悟が、今の日本にあるだろうか?

思えば携帯電話時代、日本のメーカーはさまざまな機能を付加して独自の進化をさせた。このことを「ガラパゴス化」と呼ぶこともある。しかしスマホの登場により、これらの努力はあっという間に過去の遺物と化した。

細かな差別化に躍起になっている内に、大きな時代の流れを自ら生み出す機会を失ってしまったのは確かである。

似たようなことが、あらゆる業界で起こっていないのかを本気で心配している。総取りされた側は、ほそぼそとした利益の分け前にあずかるしかないのだから。

実は、この議論はフェアではないという自覚はある。というのは、大口の勝ち組ばかりをそろえて、日本の一般的な企業と比較しているからだ。

同じようにパラダイムシフトに挑み時宜を得ず消えていった会社は、欧米にもたくさんあったはず。小商いに甘んじても消えずに残っている方が良いという考えも当然成り立つ。

でも、リスクを以て新規のものへの参入を全て見送るようでは、発展は見込めない。無難に無難にとクセを抜いていくと、目黒のさんま(有名な落語噺。Wikipedia参照→ 目黒のさんま)になってしまう。

荒削りでも、新製品や仕組みの優れている点を社内で伝え、世にアピールする選択を取ること。今の日本では、それが強く望まれていると私は考える。

お読み頂き、ありがとうございました。


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