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田舎のイベント

よく田舎について「何の娯楽もない」的なdisりを見る場合がある。確かにそれを真正面から否定はできない。でも、じゃあ都会にたくさんある娯楽を、都会の人が日々満喫しているのか? と問われたらそれは明確に違う。

物理的な種類は少なくても、田舎のイベントは決して少なくない。学校の運動会はその最たるもので、都会だと単に子どもの成長を見て記録する場なのだけど、田舎ではちょっと脇の方で敷物の上に車座になりながら酒を飲んでいたりということが珍しくない。

また、地域の花見や盆踊りも一大イベントである。収穫祭も結構な人が集まる。そういう場に、あまり名前を聞いたことがない演歌歌手が登場したりすることもあり、それで場が大盛り上がりとなったりもする。

他に、老人会・婦人会・消防団等の集まりもある。これも総会後の懇親会・新年会が開かれることから、年に二回は飲み会となる。

結婚式や葬式も、多くの人が集まる。家族だけでこぢんまりというのは聞いたことがない。特に葬儀は、都会である程度名が知れた名士よりも、田舎のおじいさんの方が参列者は多いだろう。

都会では娯楽とはならないこれらの場で、多くの人が集まる。ただ、いつも顔ぶれが同じなので、飽きないのかなあとは思うが。

そう考えると、都会はイベントの種類も数もかなり多いのだけど、常に同じ顔合わせとなる機会は少ない。この点は、田舎とは真逆である。

田舎は田舎なりの楽しみ方が独自に発展したと思えば、それは比較文化論ネタともなるだろう。少なくとも、都会の方が優位だとは安易に言えないと思っている。

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