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医療スタッフからの電話で母の息災を知る

暮れも押し迫ったある日のこと、母がお世話になっている老人ホームから電話があった。

普段はホームの事務スタッフか施設長からの場合が多い。でも今回は、看護師さんからであった。

巡回で来訪している医師に対して、母がお腹の不調を訴えたらしい。それを受けた医師より今飲んでいる薬の処方を変えるよう指示があり、その報告のため電話してきたものであった。

たったそれだけのことではあるが、この電話によって母がきちんと医療のお世話を受けていること、それも含めて息災に生活していること、そして自分で意思表示できていることが分かり、ホッとした。

モノのない時代に多感な時期を過ごした戦前世代は我慢する傾向が強く、自らの意思表示にも消極的となりがちである。しかも、携帯電話の使い方も忘れてしまったようで、電話も掛けてこないし、こちらから電話を掛けても出てくれない。

更に、コロナ禍は老人ホームの所在自治体周辺でも広がっていて感染者数が増大、老人ホームでは感染を防ぐために、完全に面会を中止するようになっている。

このような状況下では、私も直接母の様子の把握ができない。よって伝聞情報でしか母の安否が分からず、事務的な連絡でも、とてもありがたいと思っている。

今度リアルで母と会う時には、もしかしたら私が息子から「見覚えがある人」に格下げされているかも知れない。それでも人の子として、無事での再会を祈らずにはおられない。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。