現金のない生活

今は、○○ペイやICカード払いも浸透し、実際に現金を使う頻度が極端に下がっている。

しかし我々の親世代は、まだまだ現金信仰が根強い。日本の現金への信頼度の高さが、マネーの電子化で世界に遅れを取る原因であったとも言える。

実は、私が若い頃に居住していた職場の寮は、全てツケであった。食事は喫食カードに食べる日に○を付ける、ビールやジュース、カップラーメンも備え付けのノートに記入するというやり方で、それを寮母さんが集計しまとめて給与天引きというシステムであった。従って、その気になれば現金を見ずに生活できた。

だから、私も現金を使わない生活がどういうものかに慣れているのだが、老人ホームに入居する母は、現金が手元にない状態がすごく落ち着かないらしい。

そういう母が、もし実家暮らしを続けていたらどうなっていただろう? と考えてしまう。訪問介護のヘルパーさんには買い物もお願いできたので、その際には現金を渡して買ってきてもらっていた。恐らくその方式を続けていたと思われる。

でも、それはそれで今風ではない。今後更にキャッシュレスが進むと予想され、段々制約が掛かっていくことが予想される。

そういう点で見れば、老人ホームでの現金を使わない生活は、決済時の電子音こそ伴わないが、今の時代に追いついたと考えることもでき、興味深い。

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