訪問と施設入居

年を取って体が思うように動かなくなった時に、介護の申請を決意する。

その際には、自宅に住み続けてスタッフに訪問してもらうのか、或いはスタッフのいる施設に入居するのかを考えなければならない。

先に書いたように、老人は老人を好きではない場合が多い。施設入居となると、周囲は老人ばかりであるし、相部屋であればプライバシーもほとんどない。しかも、初めて会う人ばかりで、最初の気苦労は相当なものである。

ということで、できるだけ自宅に籠城して、訪問してもらう方を選ぶのは、人情であろう。

しかしこの選択は、後になって更に体が動かなくなって来た時、或いは転倒して骨折するなどして自力での移動が困難になった時などに、極めて厳しい状況となる。このような状況であれば、事実上施設入居一択となるからだ。

実際、トイレ・風呂・戸締まりなどができなくなることを考えると、致し方ないことであろう。

こうなってからの施設への入居となると、かなりのハードランディングとなる。何をするにもビハインドからというのは、加齢による新規のものごとへの拒否感も相まって、とても厳しくかつ辛く感じることだろう。

親世代がリアルに直面する現実を眺めつつ、さて自分はどのような選択をすべきかを考え始めている。

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