某低価格理髪チェーン店の一部で販売中のひげ剃りを買い換えた時に思ったこと
明日まで保つかなあ、と今家路についています。
さて、……
分かる人にはすぐ分かるタイトルのチェーン店。その一部では6枚刃のカミソリを販売している。
この商品、試供品でもらったのは数年前のこと。さすがに剃り味も悪くなってきたので、今般その更新のために購入することとした。
私は基本的に、ヒゲ剃りには電気シェーバーを使っている。土日のように時間をゆっくり確保できる場合を除いてカミソリの使用はない。但し、このカミソリを使うと翌朝に電気シェーバーを使ってもヒゲが当たらない。
だから、少しでも早く出社しなければならない時には重宝しており、このたび思い立って買い換えることにしたものである。元々100円/個であり、出費は大したことない。
新しいものを使用してみて、明らかに剃り心地が違うのを感じた。格段に剃り味が良い。これまで数年使ってきたものは、明らかに剃る能力が劣化している。
この商品は3本セットでの販売であり、これで数年使えてしまうのかと思うと、日本の経済が回らない理由が分かる気がする。
女性の化粧の煩雑さに比べれば、男がmustでやらなければならないことはヒゲ剃りの一点だけだと思っている。この値段はありがたいが、経済循環的にはよろしくないと言い切って良かろう。
それを言うと、タイトルの低価格理髪チェーン店の存在自体を議題にしなければならなくなる。中国では三刀という言葉があり、調理、理髪、衣服の仕立ての3業種は切る技術者として世界のどこでも必要な仕事とされてきた。
本来職人芸とされてきたものである一方、マニュアル化による短時間での調髪は、その認識を根底から覆すものだと考える。
このような、早い・安い・それなりに納得できる品質、を売りにする店が今でも相応の地位を占めている昨今ではあるが、これはそろそろその役割を終えたものとして考えるべきではないかと思っている。
もちろん、全てを改めるべきだとまでは言わない。しかしながらコストカットのあくなき追求は、日本経済のジリ貧を推し進めるだけなことに気付かなければならない。
リーマンショック後の低成長期に対応すべく、日本のカスタマイズ能力はこのコストカットでも威力を発揮した。しかし、その結果としてニューヨークでラーメンが一杯2,000円というように、通常の経済成長を遂げた国との格差は広がった。
もう、日本の賃金水準は高くない。そのことを意識した産業のあり方を考える必要がある。
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