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あなたは「癸」をご存知だろうか?

先週末の帰省には新幹線を利用した。それでも、家に戻ると疲労を感じた。車で帰るとなると更に疲れていたことが想像され、体力温存には新幹線の利用は合理的であったと思っている。

さて、……

タイトルの「癸」であるが、そもそも読みからして知らない方も多いと思う。これは「みずのと」と読む。十干の最後に位置づけられているものである。

「このオジさん、何かよくわからないことを言い出したな」「十干って何?」と思われたかも知れない。そう言うあなたも「甲乙丙丁」は、聞いたことがあるだろう。

甲乙丙丁も十干の一部である。十干を全部を述べれば「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸(こう・おつ・へい・てい・ぼ・き・こう・しん・じん・き)」となる。

この十干は、二文字ずつ「木火土金水」の五行に当てはめられている。この五行についても古代中国の世界観を表していて面白いテーマではあるのだけど、本題とズレるのでここでは触れない。

一般的に「甲乙付け難い」という表現が使われる。しかし、これは上位二者の差が小さいことを表している。これを若干パロって「丙丁付け難い」と言う人もいるけれど、この表現は正しくない。

というのは、丙丁は相対的には上位に属するからだ。その意図するところの下位の比較ならば、本来は「壬癸付け難い」と言うべきであろう。べき論としてはそうなのだけど、この表現は全く人口に膾炙していない。

今ではあまり使われることのない十干の後半の文字であるが、契約当事者が多数いる場合に、契約書にたまに登場することがある。

私の会社では、社内で資料作成を他部署に依頼して取りまとめる側と、依頼される側の部署があり、依頼される部署側が自嘲的に「俺らは乙の立場だからな」と言うことがある。

甲の立場の部署が乙の立場の部署を思うように働かせていると感じているからこその表現であるが、乙ならば上出来であろう。

実際、私などは基本的な立ち位置が「癸」なので、乙ならまだ良い方だよ、と心の中で思ったりしているし、だからこそこの「癸」の字には親和感を抱いている。

今回の記事は、ほとんど無駄知識のお話で申し訳ないと思っている。

お読み頂き、ありがとうございました。

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