老人ホームの健康診断

自治体からの健診の案内が送付されることもあり、老人ホームでも健康診断は行われる。但し、会社のそれとは違い、マストではない。

家族には、年に2回実施があることが通知され、その両方受けるか、年に1回で良いか、受けないかを聞かれる。私が母を入所させた頃には、当然両方受けさせるべきだろうと思っていた。

しかし、ある項目が引っかかって精密検査を受けさせるかについての確認がきたため、皆さんがどうされているのかを施設長に聞いてみた。冷静に考えれば母も高齢であり、精密検査の受検には絶食が必要で、母の身体的な負担もかなり大きいと思われたからである。

「ご家族さんのお考え次第で、そもそも最初から健康診断を受けていない場合もありますよ」というのが、その答えであった。

検査により体の不調箇所を見つけることはできる。精密検査で、それが病気なのかもほぼ確定できる。しかし、本当に病気だとなれば、大抵の場合は手術となる。

ここで、85歳以上のお年寄りの場合には、手術に耐える体力があるのか、手術後に元の生活と同程度に回復できるのかを考慮し、何もしない場合と天秤に掛けて、結局は何もしない選択をするケースの方が多い、つまり医師は手術を推奨しないと聞く。

そうなると、検査を受けてもあまり意味がない、故に最初から健康診断を受けない、という方向に向かう。

最初に、施設から健診受診について問合せがあるのは、こういう含みがあるのか、と知った。

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