見出し画像

ビジネスホテルの値上げが企業を動かす

今日の昼は温かくなりました。ワイシャツ一枚でも外に出られる陽気で、ちょっと助かりました。

さて、……。

ビジネスホテルの宿泊料金が値上がりしている。本件、テレビニュースの一コマで取り上げられる程度には、世間から注目されているようだ。

企業の場合、出張時の宿泊費については定額渡し切りのところと、領収書による精算方式のところがある。ただ、精算方式であっても想定される上限額はもちろんあるし、その額を超過したら上長にその理由を付して承認をもらわねばならない。

でも、これは「安いホテルを探したけど安いところがなかった」と書くしかない。上長もホテル名くらいは確認するけど「あらゆる宿に全て電話したのか」とまでは聞かない。

ないことの証明はできないし、超一流ホテルでもない限りやむを得ないものとして承認するしかない。場合によってはパワハラになってしまう。

そもそも今般の宿泊料金の値上がりは、諸物価高騰、光熱費高騰、夜勤要員確保のための労務費増、更にインバウンドによる宿泊需要増の連立多元方程式の解である。誰かが恣意的に上げたのではない。

いろいろなものが値上がりする世間の趨勢を見れば、これもやむを得ないこと。この傾向はちょっとやそっとでは変わらないと考える。むしろいずれ値段が戻るというのは願望であり、それに従うのは危険ですらある。

ちなみに、宿泊費渡し切りの企業でも不足分を社員の自腹にさせるのはよろしくない。労使問題にもなりかねないのだから当然である。よって超過した場合はやはり精算となるが、近年精算件数が増えてきたため設定金額を見直していると聞く。

「精算すればよい」は理屈ではその通り。でも、それを実施するのにはそれなりに手間がかかる。ぶっちゃけそれはコストでもある。渡し切りにしているのはその精算コストと比較衡量したものだとすれば、精算件数が増えるのは制度を作った趣旨に反することとなる。

ビジネスホテルの値上がり一つでも、このような会社の制度改定につながってゆく。社会は自分の想定外のところで繋がっている。「風が吹けば桶屋が儲かる」は箴言だと改めて感じる。

お読み頂き、ありがとうございました。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。