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相続時に最適な判断をしたはずが、状況変化で見込み違いとなる例も多い

想定外の質問を急にされると弱いなあ、という経験をしました。語順がかなり怪しくなったのは大きな反省点です。

さて、……

母が施設に入って3年以上が経つ。空き家となったわが家は、姉と私が行く度に雨戸を開けて風を通しているが、月に1度あるかないかであり、その効果がどの程度あるのかは疑わしい。気休めレベルであろう。

もしこうなることが分かっていたら、土地と家屋を母に相続させただろうか? という思いはどうしても湧いてくる。母が所有者となっているがゆえに、売ることはもちろん貸すこともできなくなっているからだ。

先のことは分からないし、母が「施設に入りたいとは思わない、今のままこの家で過ごしたい」と当時は明確だった意思を表明した以上、それに従うのは当然のことだったと思っている。

だから私の脳裏に浮かぶ思いは、所詮は結果論に過ぎないのではあるけれど、それなりにプラスマイナスは出てくる。

まず、母が相続することで、相続税申告時に小規模宅地の特例を使うことができた。私の家は小さいので、この特例をフルに使うことで、相続税額も数十万円は安くなったのである。

その一方で、母が住まなくなってからも固定資産税は掛かり続け、これまでに30万円近くは支払っている。即ち、せっかく相続税申告時に行った節税対策による効果も、毎年目減りする事態に陥っている。

あと数年経てば、数字の上では私が相続して自由に処分できる形であった方が得だったということになるのだろうと思いつつ、それは結果論だと言い聞かせるしかない。

それに、売りに出せばすぐに売れるとは限らない。郊外で新たに開発した地域の家は、同じような年輩の家族が買い、同じような問題を抱えることとなった。つまり、売り手は多く、商談成立はなかなか難しい。

かび臭く、人が住まないがゆえに傷むのも早い実家を抱えている人は、日本で少なくないと思う。でも、親とはいえ経済的には別個の所有物を勝手に売ることはできず、傷むに任せるしかない。

そんな状況のままで良いのかと思う一方で、子どもが自分の利益のために親の財産を勝手に処分してしまう事例も実際にある。それはそれで問題だと思うので、現状追認もやむなしだと考える。

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