お年寄りの我慢強さ

お年寄りは、我慢強いと言われる。

今よりもモノがない時代の生活に慣れているから。
医師に診てもらえることが少なかったから。
戦争中の食糧難を経験しているから。
移動は歩くのが当たり前で、足腰が丈夫だから。
肉体労働が多く、体が鍛えられているから。

……だから、暑くても我慢してエアコンを使わずに熱中症になる人が後を絶たないとか、ちょっとした病気でも「寝てれば治る」と言ってかえって悪化させてしまうとか言われる。

そういう見方を完全に否定するつもりは無い。でも私は、実際に苦痛を感じる能力の衰えもあるのではないかと思っている。言い換えると、お年寄りの我慢だけではなく、苦痛を感じにくくなっているから平静でいられるということ。

私にはガンで亡くなった親戚がいて、その人は医師から「痛かったら飲むように」と鎮痛剤を処方されていた。しかし、「ちょっと痛いな」と言うだけで、それを飲もうとはしなかったと聞いている。

苦痛を感じるのも、それにより身体の異常を感知し生命の維持に繋げるための能力だと考えると、生命力が減退するにつれて、苦痛を感じる能力も下がるというのはあり得ると思う。

そして、一つの生命がひっそりとこの世を去り、次の世代の命に繋がっていく。

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