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「おかえりモネ」が終わったのだけど、最後まで盛り上がりに欠けた印象

建売住宅って、大抵住宅販売業者が植栽をしてくれています。でも、ちょっと気に入らない木があって抜こうとしたら、かなり根が深くて全部は抜ききれませんでした。疲れました。

さて、……

朝ドラ、定時だと会社に間に合わないので、専らBSプレミアムの早い放送でここ何年かは見続けている。その中で標題の作品は、最後まで盛り上がりに欠けていて、申し訳ないが内容的に物足りない感を覚えた。

朝ドラは主人公の一代記になることが多い。でもこの作品は、極めて狭い期間が対象とされた。震災があったのが15歳で、終了時点でまだ20代。人生まだこれからの時期に終わってしまったことになる。

そして、気象予報士になった点を除けば、キャリア的にはスクラップ・アンド・ビルドでそれほど大きな成長は見られなかった。まして、大きな事績を成し遂げたわけでもない。

そもそもの設定もどうだっただろう? 東日本大震災という未曾有の大災害をテーマの背景とするならば、一人のヒロインの10年程度の営みで語り尽くせるはずもない。

しかもその復興は、今もまさに継続している。リアルの評価はまだ定まっていない。このことを踏まえると、それを今の段階で取り扱うのは、そもそも無謀だったのではないかと思う。

ヒロインは地元を離れたがって祖父の知り合いのいる登米に行き、気象予報士資格を得て東京の気象予報会社に勤め、地元で役に立ちたくなって地元に戻った。確かに、人間常に一貫したポリシーに裏打ちされて行動するわけではないのだけど、出たとこ勝負なのは否めない。

加えて、行った先でのできごとはあまり大きくない。やはりもう少し波瀾万丈の展開がないと、朝ドラなのにまさにドラマチックにならない。

お父ちゃんに芝居茶屋に売られたおちょやんとか、田舎のボンが音楽家になって更に戦争に翻弄されるエールとかに比べると、イベントが日常的過ぎた。

日常の中での個人の成長を見せたいのであれば、もう少し視聴者からわかりやすくすべきではなかったか。常に自分の思いを内に秘めて語らないヒロインの表情だけでそれを察するべき、というのは無理がある。

もっと率直に感情を表現する、嬉しい時には喜びを爆発させ、悲しい時にはシュンとしてしまう。そういう分かりやすいキャラの方が視聴者も感情移入しやすい。何と言っても見終われば仕事に出掛けるのだから、ヒロインの心中まで忖度したくない。

ヒロインに良いことがあれば元気をもらい、良くないことがあれば次の展開を心配しつつ、彼女もツラいのだから自分も頑張ろうと思う。仕事前のひと時に観たいのは、そういうものだと私は思っている。

この作品はその基準から外れており、私的には及第とは申し上げかねる。

お読み頂き、ありがとうございました。

(一応、タイトル写真は気仙沼です)。

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