pixivであげてたとある乙女ゲームの妄想駄文

『ねぇ、もしも二人が』(1)

今日は原田さんの十番組の巡察に同行した。

相変わらず父様の行方はつかめない。

そんな私に気が付いたのか原田さんが大きな手を私の頭にのせてぽんぽんと軽く撫でるように叩きながら言う。


「あんま気を落とすなって、俺たちもちゃんと探してるし、な。大丈夫だよ。」

そして優しい笑顔を私にくれる。

その笑顔を見ると何だか不安な思いは何処かに消えてしまう気がした。

「はいっ。ありがとうございます、原田さん。」

「ん、ああ、おうっ。」

彼は、私がお礼を言って微笑むとそう、返事を返してくれた。



屯所に着いて私は原田さんと共に土方さんに今日の巡察の報告と父様捜索の報告をしに向かった。

「そうか。」

土方さんは短く返事をすると私を見て何かを考えてから原田さんに向き直るとこう切り出した。

「なぁ、原田。」

「なんだい、土方さん。」

「わりぃがこいつを外に連れ出してやってくれねぇか。」

「えっ・・・?」

私の素っ頓狂なぁ声は無視されて、土方さんは原田さんに話を続ける。

「明日、おめぇ、休みだろ?」

「ああ、そうだけどよ、いいのかよ。」

「おめぇもこいつはもう逃げたりするようなバカな考え起こさない事はわかるだろう?」

「ああ。」

「まぁ。お前の監視下のもとになるが、こいつにも休暇を与えてやろうと思ってな。」

土方さんの言葉に原田さんは少し考えこむそぶりをみせる。

「だめか?」

土方さんが短く尋ねると原田さんは少し俯けていた顔をあげて返事をする。

「千鶴がそれでかまわねぇなら、俺には異存はねぇよ。」

土方さんと原田さんの目が自然、私のほうに向く。

「どうだ、千鶴?」

土方さんから返事を促される。

私は考えながら答える。

「でも、本当にいいんでしょうか?私なんかとお出かけなんて。 折角のお休みなのに。」

「原田は異存はねぇと言ってる。あとはお前次第だが・・お前が行きたくねぇってんなら別に無理にとは言わないが・・。」

「いえっ、とても行きたいです。」

私は土方さんの気がかわらないうちに返事をしなくてはと思い大きな声で返事をしていた。

「そんなにでけぇ声出さなくても聞こえるっ。」

土方さんから怒鳴れた。

「まぁまぁ、土方さん。こいつもよ、嬉しくてしょうがねぇんだよ。許してやってくれや。」

原田さんが助け舟を出してくれる。

こんなときとても彼が頼もしくみえる。

「じゃぁ、決まりだな。明日は原田と一緒に羽のばしてこい。」

「はいっ!原田さん宜しくお願いします。」

「おう、まかせとけって。んじゃぁ、土方さん、話がまとまったとこで俺達は失礼するぜ。」

「ああ。わかった。」

原田さんと私は土方さんの部屋を後にした。

廊下を歩きながら原田さんが言う。

「千鶴、明日はどこ行きたいか決めとけよ。」

「はい。原田さん、何かすみません。折角のお休みなのに。」

「ん?ああ、別に何するわけでもねぇし、構わねぇよ。お前こそ、俺みたいのが監視つきでわりぃな。」

「いえ、とても嬉しいです。」


正直、原田さんで良かったと心底思う。

何故だろ、彼といるとすべてが優しく流れていく。

こんな気持ちは初めてで、この気持ちが何なのかわかっているようでわからない気がした。


「お、もう部屋についちまったな。んじゃぁ、また、夕飯にな。」

「はいっ!」

「あと、ほんとにいきたいとこ決めとけよ。監視役だけどよ、お前を楽しませてやりてぇしな。」

「はい。」

私の返事を聞くと原田さんはニコリと笑い、私の頭を撫でて、そのまま自室へと向かった。


その後、夕食をとり、私は自室に戻り、何かしらしながら過ごして眠りについた。

明日の外出を思い、心がそわそわしながら。






続く




何だか、続いちゃいますw

楽しみにしてくださる方は楽しみにしてお待ち下さいm(_ _ )m

やっぱ…左之さん大好き\(^^)/←(中の人が好き)

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