「希望の欠片」

希望の欠片を探して。

旅に出たのはいいが…。

後、もう少しで届くのに…もう、体が動かない。

母さん…父さん…杏理…。

僕は戻れそうにないよ。

ごめんね、ごめんなさい。

約束を果たせなくて。

希望の欠片を届けられなくて。

ああ、これを届ければ…全てのピースが揃って… 僕らの未来は開けるのにな…。

母さん、母さんの手料理が食べたいよ。

父さん、父さんには、もっともっと色々な事を教えてもらいたかった。

杏理…杏理には…もっと兄貴らしい事をしてみたかったな。

ねぇ、神様…もし、一つだけ願いを叶えてくれるなら…。

僕の代わりに希望の欠片を家族の元に送ってよ…。

そうすれば…僕がいなくても…未来は開けるから。

でも、帰りたかったな。

"…空を見上げたら…大きな光が僕の帰るべき場所に向かって真っ直ぐ飛んで行くのが見えた。"

ああ、神様…ありがとう…これで…僕は安心して死ねる。

母さん、父さん、杏理…。

僕は皆の元に帰れないけど…皆の未来は開ける。

さよなら、皆。

皆が目覚めて…昔のように…笑顔で元気に暮らしてくれることを願ってる…。

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