『風鈴』

貴方が居なくなってから幾年月が流れたでしょう。
「お婆様。また、風鈴を見ているの?」
「この風鈴は、お爺様との思い出が一杯つまったものなのよ。」
孫が私に問うのです。
風鈴をしまわないのかと。
私は答えるのです。
「お爺様が来た事を知らせて鳴らしてくれるからよ。」と。

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