シャワーがぬるいならシャワーを真っ先に疑おう

東北にある某田舎町で設備屋をやっている鈴木だ。今回は「シャワーがぬるい」という症状について書いていく。

シャワーから出てくるお湯がぬるいという症状の場合、真っ先に給湯器の異常として考えてしまうユーザーが少なくない。しかし、実際に給湯器が悪いというケースよりも「シャワーのサーモスタットが悪いだけ」というケースが非常に多い。

筆者のブログに詳細を掲載してあるから、詳しくは以下のリンクを参照してほしい。ここでは基本的なことについて書いていく。

シャワーのお湯がぬるいと感じたらシャワーのサーモスタットに注意しろ

給湯器の故障でシャワーがぬるい場合

まず給湯器が故障していてシャワーがぬるい場合、シャワーだけがぬるいということは考えにくい。給湯器が故障しているなら、すべてのお湯が出る箇所で同じ不具合になるはずだ。

「全部の蛇口で出てくるお湯がぬるいんだけど、特にシャワーから出てくるお湯がぬるくて困っている」という場合に、あえて「シャワーがぬるい」と言っているユーザーもいるだろうが、意外とシャワーだけがぬるいというケースも少なくない。

この場合は給湯器よりもシャワー水栓に問題があることが多く、シャワー水栓のサーモスタットに不具合が生じていて、過剰に水を混ぜてしまっているケースが多い。

サーモスタットが悪い場合は水栓メーカーに依頼するのが〇

「お湯がぬるい=給湯器の故障だ」と短絡的に判断をしてしまった結果、シャワー水栓のサーモ部分に不具合があったとしよう。もし既に給湯器メーカーを手配してしまっている場合、修理業者によって「シャワー水栓の不具合、給湯器正常」という診断が下される。

ここで問題なのは、この修理業者がシャワー水栓を修理できるとは限らないという点だ。やってやれないことはないだろうが、給湯器メーカーの名前を背負っている修理業者が、TOTOやLIXILのシャワー水栓を修理するかどうかは怪しい。

おそらく大半は「水栓のメーカーを手配してくれ」という流れになり、給湯器の修理業者は出張診断料だけをもらって撤収することになるだろう。この出張診断料は約5000円~6000円程度であるが、無駄な出費となってしまう。

メーカー品は正規の業者が手をかけた場合にのみ保証される

新品は使用開始からの年数に応じてメーカー保証が付くが、修理用部品の保証は「ちゃんとした修理業者の手によって修理されたもののみが保証される」というルールが存在する。

確かに給湯器の修理業者もシャワー水栓の部品交換くらいはできるだろうが、その部品が再故障してしまった場合にメーカー保証が適用されない可能性を考えると、無闇に手を加えることはリスクが高いと判断するだろう。

餅は餅屋という言葉があるように、給湯器の不具合なら給湯器メーカー、シャワー水栓の不具合ならシャワー水栓のメーカーに問い合わせるようにしたい。

新しいシャワー水栓への交換ならどの業者でも〇

修理希望なら正規のメンテナンス業者を手配したいところだが、新品交換の方向ならどの業者でも可能だ。

これは給湯器も一緒で「修理=給湯器メーカーの専売特許、買い替え=多くの水道屋・設備屋も可能」という縮図があるから、もしシャワー水栓を最初から新しい物に交換するつもりなら、どこの業者に依頼しても問題ない。

シャワーがぬるいならシャワーを真っ先に疑おう

シャワーがぬるいなら、まずは真っ先にシャワーを疑おう。

すべての蛇口で出てくるお湯がぬるいなら給湯器が故障している可能性が高いが、特定の箇所だけぬるいとか、あるいは蛇口によってムラがあるというなら給湯器の不具合の可能性は一気に低くなるぞ。