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備忘録:4つの夢





1.逃亡

体育館から2つの家のベランダを飛んで飛んで、私の家のベランダに到着することができた。全力疾走ものの数秒で。危ない人物が体育館で「何か」をしようとしていた。全校生徒は恐れ慄いていた。私は一番乗りで逃げた。私に気付いたのは1人の男だった。私の大切な男だった。あの男だけは助けたいと思った。まず私だけ家に帰るための最短ルートを見つけた。人の家のベランダに飛び移り、そこからまた人の家のベランダへ。体力を使う。そして私の家の屋根に乗り、ベランダによじ登る。エアコンの室外機が大きくて邪魔だがなんとか自分の家のベランダに降りることができた。綺麗な制服を着ているが、体育館から見えないように匍匐前進をして自分の部屋の窓を開け、中に入り、窓ガラスと薄いカーテンを閉めた。
そして「あの男」をアイコンタクトでこちらに誘導して彼は私の家に到着することができた。安心して私はスターバックスのフラペチーノを作った。(?)





2.中学生

私は指揮者だった。誰も何も教えてくれなかった。自分の思うようにふらっとした指揮をとり、全校生徒の前で登壇していたがタイミングもわからず「閉会の言葉」と言ってしまい男性職員に注意された。
「全校生徒や発表者がみんなはけてから場を進行してくださいよ」注意された後からは、全てうまくいかなくなった。指揮台に登壇すると、指揮台が小さく感じてフラフラしてしまいまともに立てない。指揮さえ始められず、私は木のようにまっすぐ横に倒れた。私は全校生徒の列の前から5番目位のところに足のつかいような前後に振り子のようにゆらゆらとするチェアに座らされた。目の前の英字のシャツが近付いたり遠ざかったりして今にもぶつかりそうだった。でも彼女は何も動かない。玉井が指揮をとっているのに私の周囲は微かに動くだけで何もしていない。なぜだ?後ろを振り返ってみるとそちらの方は人々がしっかり踊っている。私の見えている世界では指揮をとれていないように見えたが、後ろの方の人は指揮に従ってくれていたことに座りながら気づいて少し元気が出たような気がした。




3.榊

体調が悪いのでステージの周辺を掃除した。数年前に当時の彼氏と汚した電球がいくつも隠れて吊り下がっていた。濡れ布巾で擦ると固まった汚れは落ちていったが硬くなった汚れは落ちずにそこに留まった。
開会の案内を済ませていると、全校生徒の後ろの方に紫色のTシャツを着た榊がいた。そしてステージの隅に榊の竿がいくつも置いてあり、私が話している時に竹の竿が半分落ちた。体育館内に大きな音が響き渡り、どの竿を落としたんだ!とヤジをつけられた。「榊さんの組立てされていない竹の竿が落下しましたが、折れておらず心配は無さそうですので内側に置いておきます」とアナウンスした。榊なんていたか?と生徒たちはざわめいていた。




4.搾取

内閣総理大臣の安倍晋三。私は彼に、梨子さんはそういう反応が大人だよと言われた。今回の指揮者をして団体から貰えるお金は三円という話を聞いた私は、一瞬にして気分が下がった。決してお金のためにやったことではない。私はそれを聞かされた時、言葉としては何ともないというようなコメントをした。しかし政治家2人には脳内を理解されていたようだ。
「梨子さんはそういうところが大人だ。聞かされた瞬間に目の奥だけを暗くする。」 
元々指揮者を経験していた白い肌がよく透き通った吹奏楽部部長のマミさんは、私に当時の事を教えてくれた。「たしかに当時、お給料と言って渡されたのはお小遣いにも満たないような笑ってしまうくらいの額だったわ。登壇するため、ホワイトニングの液体を3本、くれた。でもそれは頂いたものだから悪くなかった。」彼女の歯は透き通って綺麗で、それを見ていたら悪くないと思えてきた。そのことを安倍晋三に話を聞いた。安倍晋三が私の賃金を搾取しているんではないかと思い、取引データを見せて貰ったが、手書きの資料を見せるばかりで何とも改竄したような気がしてならなかった。彼は政界でよくあるうたいかたを私によくしてきた。人間味の深い私にはその、カタカタした論理で固められた文章が理解できないし理解したくないと伝えた。

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