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テドロス氏とWHO改革

新型コロナをめぐっては「中国より」との批判が多いWHO(世界保健機構)ですが、最近では定例の記者会見でも厳しい質問が飛び交い、まるでWHOの弾劾裁判のような様相になってきています。本連載「WHO抜きでパンデミックは終わるのか」では、マニラにあるWHO西太平洋地域事務局に勤務した経験も踏まえ、WHOの構造的な問題点にも焦点を当てながら、人類と新型コロナとの闘いについて考えていきます。(全6回を予定)初回の今日は日本の新型コロナウイルス専門家会議でお馴染みのあの方も出馬した過去のWHOの事務局長選や、8年にもわたって続いているWHO改革とテドロス氏の関係について詳説します。

2020年1月末に始まったWHOのテドロス事務局長辞任を求めるオンライン署名はついに100万件を超え、5月2日に終了した。署名集めを行ったウェブサイト「Change.org」によれば、世界に新型コロナの感染が拡大した原因は、2020年1月23日、事態を過小評価したテドロス氏が緊急事態宣言を見送ったためであるという。

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