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【要点まとめ】『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

現役保育士・日本語教師オススメ本
『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

この本の著者は、以前noteにまとめた『頭のいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』の著者:小川大介さん。

今回は、小川さんの別の著書をまとめてみました。
「見守る」と一言で言っても、具体的にどう見守ればいいのか?
子どもにどんなメリットがあるのか?
具体的に書かれていて、参考になる点が多々ありました◎
Amazonでの高レビューもうなずけます!

ちなみにシリーズ2冊目はコチラ。


育てるべきは「自分軸」

先が見えない時代に育てるべきは「自分軸」。
自分は、どういう人?
何が好き?
何か得意?
自分に対する理解、それに基づいた判断基準を持てることが重要です。

それを育てるのが「見守る子育て」。
子どものありのままの姿をよく観察し、その姿を認めて見守り、その本来の力を可能性を引き出し、育みます。

「見守る子育て」3原則

①「自信」を持つ

自信のある子」とは
自分は自分、これでいい」という感覚。
自分に対する信頼感がある。

  • 赤ちゃん~幼児期
    生まれながらにして持っている100%の自信

  • 3~9歳ごろ
    他人と自分を比べて、自信が揺らぎ始め、意識が外に向く

  • 8歳ごろ~
    「自分はこうだ」と思えるようになり、自信を育て始める

この「自信が揺らぎ始める」経験がとても大切
自分自身を発見していく過程で、周囲の大人や友達からかけられる言葉によって自分を理解していく。
親の影響が大きい3~9歳の時期は、親のちょっとした言葉がけや態度一つで、自信の土台をつくることができる。

②「学びの技術」を得る

※「学ぶ」というのは算数や国語といった科目学習だけを指すのではない。勉強だけでなく、わからないことを自分で調べたり、何かに興味を持ったり、何かを探求したり、こういったことすべてが「学ぶ」こと。

関心を寄せたものを調べ、理解し、記憶に残すまでの流れが「学ぶ」ということ。
学びは「技術」である。

今の子どもたちは、「習い事で忙しい」「学校の先生も昔ほど余裕がない」などの理由で、親世代よりも日々の生活を通して、暮らしのコツや裏技を学ぶ機会が少ない。
「できる子」の家庭では、普段の会話や遊びの中で学びの技術が伝えられていることが多い。

③「習慣」を身に付ける

「習慣=当たり前」は、「楽しいからする」わけではない
習慣とは、興奮や努力や我慢を必要としない、当たり前のことが淡々と続く。

*新しいことを知る
*知ったことを覚える
*何かを読んだり書いたりする

これらを習慣にすれば、子どもは自ら伸びていく。

やる気が生まれるメカニズム

子どもは基本的にわからないことは放置する。
「わからないことに出会ったら調べる」ことを当たり前にするには、調べ方を教えた後、一緒に調べたり、調べるように促したりすることで、
「調べたらわかった!」
という経験を積ませてあげることが大切


子どもは「やる気がある→やってみる」ではなく、
やってみて、できた→やる気が生まれる」。

「当たり前をほめる」がカギ。
✕「当たり前のことだから、ほめなくていい」
○「当たり前だからほめる」
 「お父さん、お母さんがちゃんと自分を見てくれている」安心感
 「ちゃんとできているんだ」と確認できる

【遊び】を見守る

①遊び方に表れるその子の特性を観察する

  • 子どもは、遊んでいる時が、一番ナチュラルな状態。
    *その子が得意なこと
    *その子の心が動くこと
    *その子の情報のとらえ方

    などがわかる。

  • 遊び時間ははたっぷりと!
    遊ぶ時間をたっぷりとることで、自ら育つ力はますます発揮される。

  • 遊びか勉強か?
    どちらが優先かといえば、圧倒的に「遊び」。
    遊びは子どもの生命力を育てるもの。

②「飽きっぽい」のではなく、「好奇心旺盛」

「飽きっぽい」子ども側の事情も知っておくことが大切。

【視覚が敏感】タイプ
いろいろなことに好奇心が向けられる。関心の幅が広い。
次々と見えるものが気になるので、深くじっくり考える感覚が育ちにくい。

一つのことをじっくり味わう力を育むために

  • 余計なものが見えないように整理整頓する

  • 遊びや学習のアイテムを1つか2つに絞る

【身体感覚が敏感】タイプ
エネルギーにあふれている。
じっと座って話を聞くのは苦手。

  • 実際に身体を動かしながら学ぶスタイルが良い

  • スポーツ系の習い事でエネルギーを使わせてあげる

  • 抱きしめたり、背中をさすったりして、気持ちを落ち着ける

  • 口元をじっと見ながら話を聞く練習をする

【聴覚が敏感】タイプ
音感が良く、音楽に才能を発揮することもある。
物音に敏感で、すぐそちらが気になって集中しづらいことがある。

  • 作業にに集中するときは、静かな環境を用意する
    ヘッドホンを装着させても◎

  • 耳から入る情報に敏感という特性を生かし、読み聞かせをする

  • 神経衰弱のような、目で見て記憶するタイプの遊び(聴覚以外の感覚を使った遊び)を取り入れる

③「興味の幅が狭い」のではなく、「深められる」

  • 興味の偏りが成長を偏らせるわけではない

  • 広く・浅くから深める道もあれば、狭く・深くから広げる道もある

  • 見るべきポイントは、
    「何で遊ぶか」ではなく「どんな遊び方をしているか」
    一つのものを使って、さまざまな遊び方をしていることもある

④「興味を示さない」のではなく「自分の世界がある」

何を見せても、あまり反応しない場合

  • 味わう時間もないくらいに、次々に物事を与えていないか?
    →子どもが体験を自分のものにするには、ぼーっとする時間が必要

  • すでに自分の世界があって、そちらに心を奪われていないか
    →本当は興味を示している事柄があるのに、親が気づいていないケースも

⑤その子なりの「外遊びの楽しみ」を尊重する

  • 遠巻きに見ているだけでも、楽しそうにしているなら心配なし

  • そもそも外遊びに興味がない子もいるが、問題はない
    このタイプは「見たり聞いたりすることで頭を使う」傾向のある子

  • 「友達と一緒に遊んだら?」
    「一人でいてもつまらないでしょ」
    など、親が口を挟まないこと
    「この子にはこの子の楽しみ方がある」と見守る

【外遊びが苦手な子】の体力づくり
*散歩に出かける
*近所でランニングする
*朝の体操をする
*習い事を利用する

⑥好きな本を好きなように読ませる

  • 「ちゃんと読んでいない」ように見えても、本を使って楽しんでいたらそれでよし

  • さまざまな分野のものに触れさせるには、本以外の手段でアプローチを変えてみる(体験、動画など)

  • 「本を読まない=読解ができない」は論理的ではない
    必要な語彙や文章の読み方を身に付けるために、別の手立ても考える

⑦おもちゃ遊び

  • 高価なおもちゃがいいとは限らない

  • おもちゃ選びのポイント
    *遊び方が複雑すぎないか
    *遊び方に広がり(発展性)があるか
    *子どもが触れてみたとき、感触に心地よさがあるか

⑧子どもの学習タイプを知る

  • 「視覚情報」「聴覚情報」「身体感覚情報」のいずれをより多くとらえるかは、子どもそれぞれに個性がある

  • タイプの違いが、発揮される才能の違い、伸ばし方の違いにもつながる

■小川大介さん開発『遊びで才能診断』知育玩具シリーズ■

「キャスリング」
最大の特徴は、「小川式 見守り手帳」を使って、
遊びのシーン別観察ポイントがわかること


例えば:
【ゲーム説明を受けているとき】
「手持ちのブロックで遊びだす子」
手を動かして学ぶのが好きで、言葉だけで説明されるのは少し苦手なタイプ。まずは体験させてから説明を受けた方が理解が深まりやすい。

【他の人の順番のとき】
「黙ってみている子」
言葉や音に対して敏感で、論理的な思考力が育ちやすいタイプ。集中力が持続しやすい子。ほかのてを考えることで、柔軟な思考力が育つ。
 
このような知育玩具を使って、子どもの学習タイプを見極めてみるのも◎

⑨コンピューターゲームをIT教育に活用する

  • ゲームでで遊ぶことは、子どもたちがコンピューターサイエンスやITに触れるきっかけになっている
    親も一緒に体験してみると◎

  • ゲームで遊ぶ時間をコントロールする力がない幼児や低学年の健康を守るのは親の役目

  • 休息を入れるタイミング目安
    *3~4歳:15分
    *5~7歳(年長・小学1年):20分
    *8~9歳(小学2・3年):30分
    *それ以上の年齢:30~60分

ゲームや動画視聴をやめられない子には

  • 「そろそろおしまいだよ」と近づいて話しかける

  • 近づいたり子どもの目を見たり、時には抱きしめたりして、「体を張って」止める

子どもへのかかわり方の法則「笑顔→体温→言葉の法則」
①まずは親が笑顔で安心を見せる
②背中をなでる、抱きしめるなどのボディタッチ→肌感覚の安心を伝える
③その上で言葉で伝える

【家庭での学び】を見守る

①聞く力

  • 子どもの「聞く力」を段階的に育てるには
    →「最後まで聞けた」という体験を何度も味わわせてあげることが大切

  • 主語や述語を意識して話す
    ✕「それ、そこね!」
    ○「そのノート、テーブルの上に置いといて

  • わかったことを子どもに話してもらう
    「お父さんに○○聞いてきて」→戻ってきて内容を伝えさせる

②読む力

  • 「聞く」ことで「読める」言葉が増え、「読む」ことで「聞こえる」内容が広がる

  • 「読む力」を育てるには読み聞かせが効果抜群
    →慣れ親しんだ親の声で読み聞かせしてもらえると、言葉の獲得もスムーズに進む

  • 親の読み聞かせは、スラスラ読むよりも、しっかり区切りをつけて読む

  • 慣れてきたら、子どもと交互で読んだり、子どもに読ませたりする

③覚える力

「覚える力」は生まれつきのものではなく、大人たちの適切な関わりで育てていく力。
遊びや親子の会話、勉強など、ワーキングメモリーを使う機会を数多く持つほどに記憶力の土台が育っていく。

【記憶の3ステップ】
①「記銘」(覚える)…今見たもの聞いたものを自分の頭の中に取り込む
②「保持」(覚えている)…取り込んだものを頭の中に留めておく
③「想起」(思い出せる)…保持していた記憶を必要なときに取り出せる

暗記が苦手な子の多くは、①だけを行って「覚えた!」と言う。
②→③と進めて始めて「使える記憶」になる。
②「保持」に必要なのは「くり返す」こと。その日のうちに、3日後に、1週間後に、といったサイクルでこまめに。
③「想起」思い出す機会を意識的に持つ。

④調べる力

  • わからないこと、知りたいことがあったとき、自分で調べたり人に質問したりできる力を育てることで、親が手をかけすぎなくても、自ら学べる子に育つ

  • 大人は、
    「わからないことがあったら、調べるとわかるよ。一緒に見て見ようか」
    などと声掛けし、わからないことがわかる手段として「調べる」という技術があることを、早いうちに教えてあげることが重要

  • 「知識増やさせる」というスタンスではなく、「学ぶことの喜びをふくらませてがえる」という視点で

  • 「人に聞いて調べる」場合
    質問するにも技術が必要
    「先生に『○○まではわかったけど、△からわかりません。教えてください』って聞いてきてごらん」と質問のシナリオを渡してあげる

⑤失敗から学べる力

  • 「うまくいかない、わからない」→「どうしてだろう?調べてよう。もう一度考えよう」と気づくことが成長につながる

  • 親は「間違ったり失敗したりすることって、すごくいいことだ」というメッセージを伝えてあげる

⑥朝学習は「単純作業」を中心に

脳を活性化させる5~10分でできるものがおすすめ。
朝学習は「何をどれだけやったか」よりも、習慣やリズムを作る方に価値がある。あまりハードルを上げずに気楽に取り組む方が◎

  • 計算練習
    年齢に合った問題を出し、子どもが暗算で答える。
    →口頭でやり取りするのがポイント。
    もしくは計算ドリルの簡単な問題から始め、少し難しい問題にうつっても◎

  • 漢字練習
    その時間で何を学ぶのかテーマを決める。
    「字の形を正確に覚える」、次に「音読みと訓読みを意識して、その感じが表す意味を理解する」、そして「その漢字を使った熟語を調べて言葉の知識を増やす」とステップアップしていく。

  • 小学生新聞
    「読みたいところだけ読む」スタンスで。
    読み込んで知識を仕入れるというより、情報に出会い、世の中の出来事を身近に感じるためのものと捉える。

⑦効果的なフレーズ

  • 「なんでだろうね」
    家族が口にする習慣を持つこと。原因や理由を探ることで、科学的思考が育つ。

  • 「このあと、どうなりそうかな」
    答えのない問題に対して、自分なりの考えを持とうとする力の土台を育てる。

NGフレーズに気を付けましょう!

  • 「さあ、知らない」
    →「お父さんも知らないから一緒に調べようか」

  • 「いいから早くしなさい」
    →なるべくゆったりした予定を組み、親が気持ちに余裕を持てるように

  • 「どうでもいい」「意味がない」「何の役に立つの?」
    →子どもの関心ごとは、あとで何につながるかわからない
     大人の基準でジャッジしない

【集団生活での学び】を見守る

①友達について子どもが話すとき

友達の話をしていたら、親が一歩ふみこんで質問してみる
→友達の「できる」「すごい」には、必ず理由があり、同じようにやってみたら自分にもできるかもしれない、といった気づきにつながる

②先生との付き合い方

クレーマー扱いされない相談の仕方→建設的な話し合いができるように
「親としてもできることを知りたいので、教えてほしいのですが」
「先生のほうで何かお気づきのことはありませんか?」

③「ルール」「同調圧力」との付き合い方

  • 「ルール」の目的について、親子で話し合う。
    子どもは安心でき、ルールを守りつつ自分の個性も大切ぬするスキルを徐々に理解する。

  • 同調圧力には抗うのではなく、「どうでもいい」と受け流す心を養うことが大切。
    親としては、子どもがつぶされないように、自分らしくいられるように守ること。

④「休みたい」を受け止める

「学校へ行くべき」→子育てのおける「べき論」は危険
今子どもに何が起きているのかを寄り添い、共感する。
一度休んだからといってサボりぐせに直結することはない。

休ませる場合
✕「明日は必ず行きなさい」
○「休んで元気になったら行けばいいんじゃない?

【健康】を見守る

  • 子どもの健康に関して、夫婦で価値観をしっかり共有する
    →この価値観を合わせておかないと、親同士が顔色をうかがうようになり、のちのち勉強面でも「見守る」ことができにくくなる。

  • うがい・手洗い・歯磨きは親も一緒に
    習慣化のポイントは「当たり前をほめる」こと。

  • 食べ物の好き嫌いは気長に構える
    「18歳ぐらいまで」を視野に入れて子どもの好き嫌いを見守る。少しくらい偏食があっても子どもは育つ。

  • 心の健康を最優先に
    親はさまざまな経験をさせたいと思い、「与える子育て」になりがち。
    常に子どもの心がどこに向かっているのかに目を向け、子どもの心の健やかさを大事にすることが大切。 

【人間関係】を見守る

  • あいさつや「ありがとう」は、まず家庭の中から
    外の人に言えなかったとしても、「いえるはずなのに言えなかったのは何か事情があるんだよね」というスタンスで。

  • 読書は教養を育む
    教養=人間社会に対する理解を深めていくこと全般。
    本をたくさん読むということは、主人公の人生を経験していたり、その本の著者という人間と会話をしていたりすること。読書で対人関係の素地を育むことができる。
    どんな本にも読む価値があるので、マンガやノベライズでも読むことを楽しめていたら、それでOK。

  • お手伝いいで「生きる力」を育てる
    「段取り力」「判断力」「計算力」「社会性」など、お手伝いを通していろいろな力が育まれる。、あや「家庭生活とは家族みんなで協力して営むものだ」と教えることにもなる。

  • ケンカを禁止するよりも「仲直り力」を育てる
    ケンカをしてもそのあと、「自分の気持ちを整理する」「相手の考えや気持ちを想像する」ことが、後々の子どもの力になる。

  • 親子関係
    ①子どもに真面目に謝る勇気を持つ

    「子どもに対して謝る=子どもを一人の人間として認めている」ことになる。明らかに親の方が間違っていたり、感情の表し方が過剰だったり、使った言葉が不適切だったりしたときに、それになかったことにしたり、居直ったりしない。

    ②子どもと一緒に育つ
    子育ては「親が子どもに与える」という一方的な関係ではなく、「親が子どもを育て、子どもが親を育てる」という「互いに育っていく関係」。

最後に、本文より

 子育てを「親が子どもに与えるもの」ととらえていると、自分の不安を子どもに投影してしまいがちです。  
 たとえば自分が英語を使えないと、子どもに英語を学ばせたくなり ますし、IT関係はどうも苦手だな、と思っていると、子ども向けのプログラミング教室を見かけて心がざわざわしたりします。友だち作りがあまり得意でなければ、子どもにはたくさん友だちを作らせようとしてしまいます。
 でもそれは、親自身の都合であって、子ども自らの育ちではありませ ん。  
 まずは親御さんがありのままの自分を認めて、自分を許すことです。 自分を好きになることです。苦手なことがあっても、失敗してしまう ことがあっても、それも自分。夫婦で、家族でお互いを認め合って、お互いを大切にし合って、「そんな自分も悪くない」と思えるようになってください。 そうなったとき、子どもを見守れている自分に気づけると思います。 自分の心の動きのままに学びを深めるお子さんの様子を、見守れていると思います。  
 子どもと自分は違う存在で、それぞれに違っていて当たり前。  
 子どもは子ども、自分は自分。

著:小川大介『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て」


今回まとめたのは、「見守る子育て」シリーズ1冊目のコチラ↑↑

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