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高齢者とオリンピック


アセスメントツールになるオリンピック観戦

オリンピックを自分の担当している高齢者がどう見ているかをアセスメントすると、新しい発見があります。
この記事、今、公開しないと4年後になると思うと慌ててます!

オリンピックの時何してた?

1964年の東京オリンピックの入場券と当時の写真をアルバムにきれいに、保存してあるのを、アイコ様の息子様が見せてくださいました。
今は身だしなみにも無頓着な方ですが、当時の写真はアイドルみたいにかわいらしく、そして、オリンピックの開会式に行けるくらいの余裕のある家庭のお嬢様だったのだなと理解しました。
有料老人ホームに入居しても、毎日のように面会に来られる息子様のお気持ちを、オリンピック当時のアルバムから汲み取れました。


テニス観戦で視力確認

テニスの錦織圭選手が大好きなチヨ様。
糖尿病とパーキンソン病を抱えていて、眼瞼下垂と糖尿病の影響なのか、
目が見えないと訴えることが多くなったころでした。
訪問すると、テレビ観戦中。
錦織選手のエアKが決まると、「入った!」と歓喜。
え??今の球筋見えたの?
「見えたよ」
え?私、球筋どころか、得点表示も見えないんだけど。
「あら、見えないの?40-30よ。勝ってる」
私より見えてますよね。
「そうかな。見えなくなった気がするんだけど・・・」

検査の結果も、視力は問題ないので、眼瞼下垂の手術のみで解決。
テニス観戦もまだまだ、楽しめそうです。

短期記憶障害があっても楽しめる

94歳のヨシエさんは、短期記憶相がはありますが、周辺症状は無く、時計を見て、シルバーカーで食堂に来て、夜になると、ほぼ同じ時間に自分でパジャマに着替えて休まれます。
お部屋に伺うと、陸上競技をご覧になっていました。
ちょうど、ゴールした直後だったので、
「誰が優勝でしたか?」と伺うと、
「あら?誰だったかね。忘れちゃった。でもね、ドキドキするし、面白いのよ。だから、応援しちゃう。」とニコニコ。
誰かじゃなくて、一生懸命な人をただ、応援している。
そして、ドキドキしている。
とても健康なこころのヨシエさんが、短期記障害は重度でも、周辺症状が起こらない理由がここにあるのかなと感じた一コマでした。

オリンピックに興味なし

オリンピックを見ない高齢者の特徴としては、今は自分のことで精いっぱいの方々だったり、そもそもの性格で自己愛が強い方だったり・・・。
このタイプの方々に、「今朝、日本が金メダル取りましたね」などとお声がけすると、あからさまに不機嫌になる方もいます。
「それどころじゃない。昨日から便が出なくて・・・」
「オリンピック中はいつものテレビが見られない」
「野球と相撲しか興味ない」など、
日本がメダルを取るかより、私の心配をしてほしい」
とは話されませんが、明らかに、そういうことかなと感じられるリアクションが返ってきます。

 レクレーションや行事にもあまり積極的でなく、周囲がにぎやかにしていると不穏な気持ちになる方にとっては、オリンピック期間は、ちょっと気分が沈む時期なのかもしれません。

その気持ちにも寄り添って、この時期を過ごしたいと思います。



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