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多様な生き方に配慮した接客


最近何かと人にプレゼントを買う機会が多かった中で、接客において何もかも完璧だったお店をヘビロテしている。

何年か前に話題になっていたAesopさんだ。今も当然人気があって流行っていると思う。
いつ店舗に行っても混んでいることからも、その根強い人気さが窺える。
価格帯もちょうど良いのだろう。いつものものよりは高いけど、デパコスほど高くなくオーガニックな感じがウケそう。(Aesopはデパコスに入るのか要検証)

そんな中で最初に行くきっかけになったのは、お世話になっている女性の友人の方がAesopのハンドクリームをよく使っているという話を聞いていて、その方の誕生日プレゼントを選ぼうと思って何となく伺ったのだ。

お世話になっている友人へ贈り物をするのは好きで誕生日などに関わらずよくするのだが、何かとお店に行く度に「彼女さんへの贈り物ですか?」と聞いてくることが、端的に口汚く言うとうざいと感じていた。
贈り物を贈るその方に対してパートナーとしての好意を抱いたことも無ければ、何ならその女性にはパートナーがいたりするため何とも言えない気持ちになるのだ。

またこの台詞を言われるのかと思いながらお店に入ったのだが、まず言われた言葉が「何かお手伝いできることはありますか?」だった。いやいや、"May I help you?"じゃないか。ここは英語圏か?
中学の英語の授業で「いらっしゃいませを英語で言うと"May I help You?"になります」と始めて聞いたとき、『いらっしゃいませのニュアンスと大分変わるな』と違和感を覚えたにも関わらず、日本語で直訳した「何かお手伝いできることはありますか?」と言われたときには何の違和感もなく心地よかった。

本来であればコミュ障な私にとって店員に話しかけられることは、外出時に必ず回避しなければならないことTOP3に入る事項であるにも関わらず、Aesopの店員さんに「何かお手伝いできることはありますか?」と聞かれたことは全く嫌な思いはしなかったのだ。
服屋さんでは絶対に話しかけてほしくない派な私を攻略する唯一の言葉なのかもしれない。「できることはありますか?」という問い掛けには断っても良いという余地が残されているような気がする。

「友人の誕生日にプレゼントをしたいのですが、ここのハンドクリームの匂いが好きだと言っていたので、近い香りのものでハンドクリーム以外のものを贈りたいのですが…」とすんなりと言葉にすることができた。
これがコミュニケーション能力の高まりか…と自分の能力を過信してしまうところだったが、全くそんなことはない。

なんとなくHPを見て事前予習していた商品を伝え、是非使ってみてくださいと言われて流しの前に案内された。
これは予想だにしていなかった展開で挙動不審メーターがぐんぐんと上がっていたのだが、店員さんが直接手で私の手を洗い出したときにはメーターを振り切って笑い出しそうになっていた。
コスメを扱うお店ではこんな丁重に接客してくださるのか…と感心していたところで商品を試し終わったのだが、ただ洗っただけで先ほどまでの自分の手とは別物になっているくらい使い心地が良くて驚いた。
洗浄成分なんてたかが種類なんて決まっているし界面活性剤を使っているだろうに、他の添加成分でこんなににも一般的な市販品と変わるものなのかと感心した。

そしてお会計の際には「試供品をお配りしているんですけど、何か肌のことでお悩みのことはありますか?」と聞かれた。思わず「わ、私のことですか?」と聞き返してしまった。
このような素敵なお店と自分なんかに接点があると思っていなかったため、まさか自分のことを聞かれているとは思わなかったのだ。文脈からすれば当然なのに、ここがコミュニケーション能力の低さであろう。
まるで容姿からして美容には気をつかっていないことは分かるだろうに、「肌のことでお悩みのことはありますか?」と聞いてくださることに感動した。
その感動に身を任せて「前髪をよく上げているのですが外に行くとすぐに脂っぽくテカってしまうのが気になります」なんて口から出ていた。自分でも驚いた。
普段そんなことは全く気にしたことがなかったのに、確かに言われてみれば確かにそうだし、鏡で自分のことを見た時に潜在意識的に気にしていたのかもしれない。

そんなこんなで、「脂が出てしまうのは肌の保湿のバランスが崩れてしまうことが原因かもしれません」とアドバイスしてくださり、ピーリング?と洗顔、化粧水の3種類を貰った。
「これはこの順番に使ってくださいね」「これは結構多めに入っているので2回分は使えますよ」「これは手を濡らさないで使って、流す時は少し水を使って乳化させながら流してください」と、懇切丁寧に試供品の説明をしてくれた。

帰ってから使ってみるとこれは確かに使い心地が良いし何より良い匂いだ。

そこから私の美容への意識は変わった。何のスイッチを押されたのだろうか。

まず皮膚科に行って吹き出物を治す塗り薬を貰った。これが2週間くらい赤みが引かなくて困った。人と会う時に真っ赤な顔の状態でやや恥ずかしい思いをした。
無印良品でクレンジングオイル、拭き取り化粧水、化粧水、乳液の4セットを買って後ろ3つは朝と夜に毎日やるようになった。正直どこで買うのが良いか分からなかった。身近なお店なら詰め替えも買いやすいだろうという判断のものだった。
さらにはYouTubeでコスメの動画を色々と見ていて気になったものをポチっていた。巷で流行っている酵素洗顔とやらが何よりも良かった。効果が実感できるものは良い。

そんなこんなで人が変わったかのようにキチンとケアをするようになった。
肝心のAesopさんのコスメは自分用に買うにはお値段が張るため、ハンドクリーム以外はまだ手を出せていないが、この潜在意識に気付かせてくれたお礼に少しずつ買っていけたらと思っている。


それから何かと贈り物を選ぶ時の第1候補にはAesopを思い浮かべるようになった。
何より最初に言ったような配慮された声掛けが心地良いため、つい行きたくなってしまう。
しかも毎回、こういう理由でこういう物を探していますと伝えると、「良いですね」「素敵ですね」「きっと喜んでくださると思いますよ」と言ってくださる。定型文だと思うが褒められているみたいで嬉しい。



もしかして、チョロいのかも……

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