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DIESELのショーに行った話

こないだ行ってきたですよ、
ピーズの35周年記念ワンマンライヴ!

ピーズ観るのマジ久々だったんだけど超良かったですね、35周年記念だから35曲やる! とか言ってたんだけど38曲やったんですよ! 
なんと三時間弱! 
ロードオブザリング一本分!
『陽が暮れても彼女と歩いてた』と『実験4号』にはマジアガったよね、新曲も最高だったし。

何を隠そうピーズのドラムの茂木君は10数年来の友達でして、若い時分には二度もいっしょに全国ツアーを回ったりもしたんですが、初めて会ったときに『好きなバンドなに?』って聞いたら『俺はマジでピーズだね!』ってあのおっきな目をキラキラさせながら言っていたのをしみじみ思い出しましたね。おたがい20歳んときですよ。

『夢は叶う』なんてウソでさ、『夢にも思わなかった事が叶う』のが人生なんだなーって思いました。不覚にもちょっと泣きましたね。


で、その次の日ね、DIESELのショー行きました、おわり。


えっ終わるの!!!!???
次回予告までしといた癖にたったの一行で!!!!!??
いいじゃないですか別に!!!
ここは僕のnoteなんだから何書こうか勝手じゃないですか!!!
じゃあ書きますよ、微に入り細を穿ち、事細かに仔細を赤裸々にあられもなく綴っていくんで、皆さん僕にお金ください!!
こちとら住民税と国民健康保険と年金の支払いで首も回んねえんだよ!
絶対オレにお金くれるって約束して!!!
約束だよ!!
マジで!!
はい、約束した人から次の行読み進めていってください!!

えっとね、DIESELのショーはね、何日か前にレイジくん(前回参照・世間知らずの箱入りお嬢様のオレにいろんな世界を見せてくれるグレゴリーペック的存在)から連絡がありましてですな、『木曜にショーあるんだけど一緒に行かない?』って言われたんですよ。

ショーかあ。アシカショーかな? それともイルカショーかな? いや待て待て、ジャンパーソンの特撮ショーの可能性もなきにしもあらずって思ってたら、なんかファッションショーだっつってて。

皆さん意外に思われるかもしれないんですけど、オレ人生で一回もファッションショーに行ったことないんですよ。農作業機械の新作展示なら何回も行ってますけど。2000万する高級トラクターとか乗ったことあるし。すげえんだよ高級トラクター、もう運転席がマジでコクピットみたいになってんだよ。Urei 1620(伝説のDJ・ラリーレヴァンの愛用機として有名なミキサー)よりツマミとかスイッチが多いんだから。

まあとにかくそういう経験はありますけど、ファッションショーに関しては彼の地に足を踏み入れたことは一度もなかったんですよ。

そんなん行くっきゃないじゃないですか。
普通に行く以外の選択肢ないですよ。
人生を豊かにするのはボタンがあればとりあえず押す精神ですから。

で、『行くに決まってんだろ!!!』ってタンクトップの上からでも解る厚い胸板を主張しつつ、親指を立てながら白い歯を見せてレイジくんに返信したんですよ。

ほいで、木曜の昼過ぎにようやっと知ったんだけども、なんと本日のショーはあのDIESELのショーだというではあーりませんか。いくら僕がファッションに疎いっつってもさすがに知ってますよDIESELは。まあまあ金持ってる元ヤンキーがイオンモールで買うブランドというイメージで(マジ失礼)。だって小田切くんのお父さんめっちゃ着てたもんDIESEL! 言っとくけど小田切くんのお父さんマジヤバいから!! 超バイク改造してたし40過ぎでもマジ剃り込みいかつかったし! まぁ小田切くんのお父さんの話をするとキリがないんで辞めますけど、さあここに来てまたしても問題ですよ。

DIESELの服がない。

さっすがにファッションブランドのショーなんて、何かしら1点はそのブランドのアイテム身につけていくのが筋ってもんじゃないですか。そんぐらいは門外漢の僕にもなんとなくソーゾーがつくってもんですよ。だってサマソニにロッキンジャパンフェスのTシャツ着てくのってちょっとどうかなって感じするじゃないですか(それは普通にいるか・笑)。

で、クローゼットの前でコケティッシュなネグリジェに身を包み、悩ましげな視線で人差し指の爪を噛みながら僕が出した結論は、昔お母さんと無印良品に行ったときに買ってもらった服を着ることでした。無印良品は冠婚葬祭オールオッケー、究極の正装としてオレの中でお馴染みの超ハイブランドですから。権利関係で名前出してないだけでヨウジヤマモトのデザイナーとかが関わってるって暮らしの手帖かなんかで読んだことあるし。ほいで全身を無印良品で固めて、エイヤと向かいましたよ会場へ。



いやDIESELのショーマジですげえよ! 

なんか駅からシャトルバス出ててさ、それ乗って会場(東京ビッグサイト)に行くんだけど、マジでオレ以外全員TOKYO TRIBEみたいな見た目した人しかいなかったもん! 

あとちゃんとスーツ着た何らかの関係者! 

全身無印で一人で来てるヤツとかマジでオレしかいなかった! 

すでにバスの中で『こいつ誰?』みたいになってて超ヤバかったもん!


で、会場着いたらもうヤバいワケ。床全体にレッドカーペットが敷き詰められてて、なんかデカい人形が大量にあるんですよ。

なんか四つん這いになったセクシーなギャルの巨大人形があっちこっちにあんの。

会場内のBGMも『コオオオ……』みたいな呼吸音が延々と流れているし。

あまりの非日常っぷりに僕のテンションはもはやMAXを通り越して先っぽからチョロッとはみ出してるほどですよ。

しかもスタッフの方々は全員タキシード着ててね、なんか丸いお盆持ってシャンパン配ってんですよ! 

で、もうそれはそれは大層オシャレで金持ってそうな、歯磨き粉のチューブハサミで切ってそこに歯ブラシ突っ込んで最後の最後まで使い切ったこととか一度もなさそうな高貴なムードのお客様方が、シャンパングラス片手に談笑してらっしゃるんですよ。当然のごとくみんなDIESELの服に身を固めているし。

もうオレ完全に気が動転しちゃって、シャンパン持ったスタッフの人に『アンバサないですか?』とか聞いたりして怪訝な顔されてましたよ。

で、指定された座席に腰掛けて、会場をキョロキョロ眺め回しながら『すっげー。メガネチェーンが本物の鎖の人とか初めて見た。尾田栄一郎の描いたキャラみたい』とか思っていると、レイジくんがやって来まして、『どう?』って聞かれたんで『ONE PIECEかTOKYO TRIBEに出てきそうな人しかいなくて超おもしろい』って正直に答えました。

ほいでレイジくんとあれやこれや喋ってたら、近くの席のすげえオシャレな男性が声かけてきたんですよ。なんでもレイジくんと一緒に仕事してるスタイリストの方だそうで、それでショーが始まるまで三人で歓談したんですね。

『DIESELって小金持ちの元ヤンが着る服ってイメージしかなかったんですけど、超リュクスだしラグジュアリーでヤバいっすね』みたいな失礼発言を連発するオレに対してもスタイリストの方はたいへん親切で、『なんでも聞いてください』って言ってくれたんで、じゃーそれならっつって色々聞いたんです。

僕、『服はなぜ音楽を必要とするのか?』っていう、文筆家でジャズミュージシャンの菊地成孔さんが書いたファッションショーの批評の本がすげえ好きで、それに書いてある『ショーモデルは音楽に合わせてウォークしてはいけない。音楽に合わせたらそれは一種のダンスになってしまい、モデルという衣服の媒介としての役目を果たせなくなるからである(大意)』っつうハナシはホントなんですか? とか聞いたりね。スタイリストの方によればケースバイケースで、モデルのテンションを上げるためにウォークを音楽に同期させることもあるみたいです。

で、他にも『ショー音楽の選曲っていうのはデザイナーはどのぐらい関わるモンなんですか?』とか素人質問をぶつけまくって学びを得ていたら、ふいにBGMの呼吸音がカッチョいいテクノに変わりまして、ショーが始まったんですね。

いやショーって初めて見たけどすげえんだよ! 

短え!(そこかよ)

時間にしてたぶん15〜20分とかそんなんですよ。

終わった瞬間みんな席立って一気に解散ムード出るしね。

なんかデザイナーの人の挨拶とかそういうのあるのかと思ってたんですけど、そういうのも無えの。パッと始まってパッと終わる。なんとも潔い。

ショーの内容に関しては特に書くことはないです!

だってわかんねえし!

全身無印で『DIESELって小金持ちの元ヤンの着る服だと思ってた』とかイケシャーシャーと失礼発言をかます32歳フリーターがショーの内容について語れるワケないじゃないですか!

まあショーの最中は、“オレちゃんとわかってますよ”みたいな批評家ヅラして見てましたけどね。

いやでもマジでめっちゃカッコよかったね。
DIESELの洋服があんなアクティヴでセクシーなモンだとは知りませんでした。
フォルムも面白いしデニム素材の使い方も超イケイケ。
モデルさんもめちゃくちゃカッコよかった。
顔ちっちぇーし足なげーし。
背骨が横から見るとS字ラインを描いててね、美しい美しい。
そんな貧困な感想しかねーのかよって感じですけども。

一個思ったのはシューズのことですね。ほとんどのモデルさんがピンヒール履いてたんですよ。男女問わず。ジェンダーレス化の影響なのだろうなぁと思いつつ足元を見ていたんですけど、結構な数のモデルさんがトップリフト(ピンヒールの先端)が垂直に着地してなくて、ヒールベースの部分が若干ヨレてたんですよ。そういう素材なのかな? と思って終わった後でスタイリストの方に尋ねたら、『素材のこともあるけど、レッドカーペットをピンヒールで格好良くウォークするのは難しいんですよ』って言ってて、ヘエ〜〜って思いました。

あくまでシロートの、全身無印のフリーターの言うことですけど、ピンヒールで一番カッチョよくウォークしてたのは水原希子さんでした。バッキバキだった。すげえカッコよかったです。超どーでもいーんだけど水原希子さんをお見かけしたのはこれが二度目で、マック・デマルコの来日公演のとき会場で見たことあります。高橋幸宏さんと鈴木慶一さんと一緒にいらしてました。

で、ショー終わって、またTOKYO TRIBEな方々と一緒にバス乗って、打ち上げ(でいいのかな?)会場の銀座のクラブに図々しく紛れ込んで、小一時間ぐらい楽しく踊って帰りました。ショーが終わったあとのモデルさんはとにかくクラブ行って踊りまくるって聞いたことあんだけど、とにかく踊りやすい音楽っていうことなのか、70年代のダンクラがんがん流れてて面白かったっすね。

ショーの次の日、ファッションデザイナーやってる友達に聞いたら、DIESELの今のデザイナーはグレン・マーティンスつって元々ゴルチエにいた人で、この人が来てDIESELはすげえ変革したんだっていってて、ヘエ〜って思いました。カッコいいファッションっていうのは80%がコンサバティブで、20%が革新性なんだという。その20%の部分でどう挑戦していくかっていうのがデザイナーの腕の見せ所なんだっていうハナシを聞いて、ファッションの世界ってすげえ面白えなってしみじみ感じました。

またファッションショーに行く機会があるかどーかわかんないっすけど、次行くときは勉強してから観たいわ。

以上がオレの、ファッションショー初体験記です。


でけえ人形


でけえ人形その2


でけえ人形と全身無印の30代フリーター



(次回・『堀米雄斗くんのイベントに行った話』につづく)



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