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Saucy Dog ARENA TOUR「Be yourself」@日本武道館初日 Liveレポート(セットリスト)

 Saucy Dog初のアリーナツアー「Be yourself」が6月9日 日本武道館からスタートした。武道館2Days、名古屋ガイシホール そして、大阪城ホールと続いた。Saucy Dogにとって最大規模のこのツアーで感じたのは、アリーナを埋めるバンドとしての成長、そして終わりの見えないコロナ禍からファンと一緒に前進しようという気持ちだった。

 素人が勝手に感じたこと、思ったことを綴っているだけなので承知ください。。。


 波の音が開演前から流れ出した。暗転すると、大きなモニターには海が映し出され海底へと向かっていく。水中にはメンバーの楽器とそれを囲むように高層ビルが並ぶ。どこか切なくて、気だるい、コロナ禍を意識させた。そんな雰囲気からスタートした『BLUE』は、決して海で溺れているのではなく、海の中(コロナ禍)に刺す光を頼りに、必死にもがきながらも前に進む力を感じる。そして、私たちの背中も同時に押してくれるのだ。
 
 次に演奏されたのはバンドの中でも随一のロックサウンドである『メトロノウム』だ。バンドがどんなに大きく変わっても、この曲が演奏されるとロックバンドとしての矜持が感じられる。

 「僕が言われて今まで一番悔しかった言葉」ライブver.で人気な曲上位三曲には入ると思われるこの曲。もはや曲名を出す必要はないだろう。そして、今回歌っていたのはマイヘアの椎木知仁ではなかった。
そしてファン待望の『シーグラス』、Vo.Gt.石原慎也の「楽しんでいこうね!」から始まった『雀ノ欠伸』と『ナイトクロージング』でみんなの腕が自然と上がり、会場の温度は徐々に上がっていった。

 MCで今回のツアーのタイトル『Be yourself』の由来を「あなたらしく、自分らしくという意味で、みんなの心をちょっとでも晴れやかにできたらいいなと思って今日もステージに立っております」と伝えた。そこで、7月6日に発売される6thミニアルバム「サニーボトル」から、未配信の『Be youeself』を初披露。
 「自分のために生きていんだよ」「間違えていこう!」「君も君らしくいてね」などのサウシーらしい、ファンの手を引っ張っていくと言うよりは、横に並び同じ目線で一緒に歩んでくれるような歌詞とメロディーに勇気づけられた人は多いのではないかと思う。

 そして、石原の「皆さんがたくさん聴いてくれたり歌ってくれたりしたおかげで、多くの人に届けることができました」という言葉から演奏された『シンデレラボーイ』ではまさかのFIRE演出で気持ちも身体もアツかった。そして、『今更だって僕は言うかな』が演奏されたが、実際、オーナーズは炎の演出よりも内心盛り上がったかもしれない。
 会場が盛り上がりを見せたところで、サポートピアニスト村山☆潤が登場し、「アルティメットSaucy Dog」編成となり、ABEMAのオリジナル恋愛番組「恋する♥週末ホームステイ2022春」の主題歌『魔法にかけられて』が演奏された。THE FIRST TAKEの『いつか』や『結』からも感じられたが、やはり石原の甘いボイスはピアノとの相性は抜群だった。

 アルティメットSaucy Dogはワンマン恒例のアコースティック編成となりDr.Cho.せとゆいか の『煙草とコーヒー』、そして「大切な人、大好きな人思い浮かべながら聞いてほしい」というせと の言葉から『いつもの帰り道』が披露された。せと の繊細で透明感のある歌声とグランドピアノの相性が最高で虜になった人も多かったのではないかと思う。
アルティメットSaucy Dogはこれだけでは終わらず、ストリングスを加えたバンド編成で『結』を演奏。音の壮大さと、石原の「ねぇ、こっちおいでよ」に皆が引き込まれた。そのままの編成で『ノンフィクション』も演奏され、その日1番の盛り上がりを見せたところでライブ後半戦へと向かっていく。

  バスドラムの音から始まる『リスポーン』は、元恋人への後悔の歌詞が綴られてるラブソングである一方、音は物凄くロックサウンドでせと の力強いドラムが聴きごたえがある。
そして、Ba.秋澤和貴の自然と体が揺れるような軽快なベースソロから『雷に打たれて』『ゴーストバスター』が続けて演奏され会場の熱気は最高潮に達し、最新曲『優しさに溢れた世界で』の上手くいかないことも全部肯定してくれるような歌詞に胸を熱くされた。

 止まることなく『バンドワゴンに乗って』で武道館の温度をグッと上げ、最後に『猫の背』が演奏された。手書きの歌詞がモニターに映し出され、「晩ごはんは今夜もコンビニ予定です」と歌うが、今はもっと豪華なご飯だろ!と思いながら、やっぱりサウシーの曲は側に寄り添ってくれるとも改めて思う。サウシーらしくhappyにライブは終わった。
それでもこの夢みたいなライブから醒めないように観客自身で掴みに行くための拍手が鳴り響く。どこかに指揮者がいるんじゃないかって思うくらいに合わさった手拍子が会場の一体感を生み、メンバーを呼び戻す。

 恒例となっているせと のグッズ紹介を終えた後、石原の「またいつかどこかで会えますように」の言葉と共に大きく2回地面を蹴る音が鳴り響く。イントロをいつ聞いても鳥肌が立つライブの『いつか』は聞くたびにパワーアップしているように感じる。特にラスサビ石原の声だけが響く時、全員が固唾を飲んで身構え、その迫力と伸びのある美声に圧倒されただろう。
最後は『グッバイ』。このストレートな歌詞に何人が救われただろうか。この曲を聞くとやはりSaucy Dogはロックバンドなんだと再認識する。そして、1日でも早く皆んなで、大声で「昨日までの弱かった自分に」グッバイできる日が来ることを願う。

 今年になって配信された『ノンフィクション』『魔法にかけられて』『優しさに溢れた世界で』そしてこれから発売される『Be yourself』などの曲はコロナ禍真っ只中に制作された「テイクミー」や「レイジーサンデー」の曲よりも前向きな曲が多い。少しずつ元の世界が戻りつつある中で、コロナ禍に慣れてしまっている自分から一歩踏み出して前を向いて見ようというSaucy Dogの意志を感じるし、それはツアーのタイトルの由来にもなっている。
 その意志は今回のライブにも表れていて、実際に肌で感じた人も多い思う。ヒット曲を生み出し、数々のライブとフェスをこなす中でバンドとして成長しただけでなく、なにを伝えたいか、音楽を聴いてどんなふうに思って欲しいかという、メンバーの伝え方の変化も個人的には感じたライブだった。


7月6日発売の6thミニアルバム『サニーボトル』はこれからのサウシーのライブの雰囲気をガラッと変える曲たちに違いない。


Saucy Dog ARENA TURE 「Be yourself」@日本武道館 セットリスト


1.BLUE
2.メトロノウム
3.煙
4.シーグラス
5.雀ノ欠伸
6.1日目)ナイトクロージング (2日目)真昼の月
7.Be yourself
8.シンデレラボーイ
9.1日目)今更だって僕は言うかな (2日目)東京
10.魔法にかけられて
11.煙草とコーヒー
12.いつもの帰り道
13.結
14.ノンフィクション
15.リスポーン
16.雷に打たれて
17.ゴーストバスター
18.優しさに溢れた世界で
19.バンドワゴンに乗って
20.猫の背
EN.いつか
EN.グッバイ



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