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「ビビり」と「ビックリしい」の違い

関西特有の表現だと思うのだが、「~しい」という言い回しがある。語尾の「しい」にアクセントがあり、「~をする傾向が高い人」という意味で使われている。
「いらんことしい」は余計な事をしがちな人。「ええかっこしい」はカッコつけがちな人。いい意味で使われることはほとんど無い。
さて、方言講座はここまでだ。ここからは早速実戦演習に入る事とする。

私はかなりのビックリしいである。誰かにいたずらで驚かされた時、急に肩を叩かれた時、クラクションを鳴らされた時など、必要以上にデカい声を上げてビックリする。私がビックリしすぎるあまり、そのリアクションで逆に相手をビックリさせてしまう時などは本当に申し訳なく思う。
「リアクション取るのに必死かよ」という真っすぐな批判を浴びる事もあれば、「さすが関西人だね」という皮肉たっぷりの揶揄を受け取ることもあるが、私のリアクションは養殖ではなく天然だ。not養殖but天然なのだよ。
TVなどで見られる芸能人のリアクションはほとんど養殖ではないか?と疑っている。本当に批判されるべきなのは彼らじゃないのか?だって実際必死にリアクション取ってそれでお金貰ってるじゃん私は1円も貰えないのに!!!

という感じで要らぬ嫉妬にまみれて生きている。
だが、そんな「ビックリしい」な私のことを友人はこぞって「ビビり」と称するのだが、これには声を大にして反対したい。私は「ビビり」ではなく「ビックリしい」なのだ。
なにが違うねん一緒やろと思ったそこのあなた、とりあえず落ち着きましょう。まずはその銃口を私に向けるのをやめてください。休戦協定です。

まず「ビビり」と「ビックリしい」の違いを明確にしておこう。「ビックリしい」の定義は冒頭に述べた通り。

ビビり
・まだ起こっていない現象に対して怖がっている
ex. お化け屋敷に入れない、ジェットコースターに乗れない等

ビックリしい
・起こった現象に対しての反応が大きいだけ
ex. お化け屋敷には入れる、ジェットコースターにも乗れる。

私はお化け屋敷にズカズカ入っていけるし、ジェットコースターに至ってはどちらかと言えば好きだ。夜道を一人で歩くのだって朝飯前。夜なのに朝飯前なんて皮肉ですよね。
ただちょっと必要以上にデカい声を出すだけなのだ。

だから皆さん、軽々しく「ビビり」って呼ぶのはやめてくださいね。
だが、これに該当する表現って標準語にはあるのだろうか。やっぱり「ビビり」としか訳せない気がする。関西弁はやはり奥深い…

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