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しゃべる自由

マスクの中にプラスチック製のヤツを入れている。これがなんという名前なのか、ぜんぜん知らなかった。

ネットで調べてみたら、マスクインナーフレーム、マスクブラケット、マスクカップ、マスクスペーサー、インナーカバー、言い方はいろいろあるらしい。

これはかなり便利で、まず、息がしやすい。話してもマスクがはりつかない。メガネが曇りにくい。しゃべっても、マスクがズレない。口紅が落ちない。(わたしは口紅を塗らないので、友だちに聞いた)

マスクをつけてしゃべるのは、なかなかに大変だから、コレをつけるとあら不思議。会話はスムーズだし、息苦しくない。もっと早くに使い始めれば良かった。

こんなふうに、コロナ対策アイテムがどんどん出てくるのだと思うと、ちょっとだけ興味が湧いてくる。

ところで昨日、WOWOWで、ドラマ「ハンドメイズテイル」を見たら、おしゃべりできないように口をリングでとめられている侍女が登場した。マスクを取ったら、顔の様子が変だった。一瞬、それが何かわからなかったが、口を縫われているのがわかると、説明できない感情が湧いた。

ギレアド共和国では、女性が虐げられている。女性は文字を奪われ、本を読むと指を切り落とされる。書くこともできない。反抗すると目をえぐられ、耳には管理のための金属タグが打ち込まれる。しかし、これまでのドラマシリーズの中で、しゃべることを禁じられている女性は見なかった。口を綴じられている侍女は、今回、初めて見た。人間はどこまでも傲慢になれるのだ。

あのドラマを見て以来、街ゆく人がマスクを外したら、どうなっているのか気になって仕方ない。もちろん、何にもないとわかっているけど、ドラマのような世界になってしまったらと思うとこわい。

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