まとまらない
「彼氏さん」「彼女さん」という言い方が大嫌いだ。
「読まさせていただきました」「よろしかったでしょうか」くらい嫌いだ。
なんでこんなに嫌いなんだろう、と思うが、全く説明がつかない。以前、ラーメン屋のテレビで見たバラエティ番組の一場面で、俳優の鈴木亮平が嫌いな言い回しについて、文法的な間違いを指摘しながらきっちりと説明し切ったのを聞いた。「なんて頭がいいんだろう」と感心していたら、MCのお笑いタレントが「うっわ、この人めんどくさいわ!」と言った。わたしはいま、その説明を文法的にも感情的にも説明ができないので、「めんどくさいわ!」以前のアホであるわけだが、とにかく嫌いな言い回しなのだ。
鈴木亮平ほどの的確さは無理だとしても、なんとか言えないか。アホはアホなりに、その理由を。
まず、「子分感」があるから、と仮定する。なんというか、本来、敬語表現の必要がない代名詞に「さん」という敬称をつけているのがイヤなのだ。こう、チンピラめいた下っ端が、目上の人(その下っ端のアニキ分)の大事な人を敬う雰囲気で、「彼女さん」と言う。ちょっとへりくだった他人行儀感をキープしつつも、アニキへの親しみをにじませつつ、懐く感じで言う。
しかも、その下っ端は、アニキ分よりもさらに目上の人の彼女のことを「彼女さん」とは呼ばないだろう。なぜか。その女性には「姐さん」とか「ユウコさん」とか、周囲が決めた呼び名があるからだ。つまり、「彼女さん」と呼ばれる女性は、中途半端に認知度が低い(あるいは高い)のだ。
以前、職場の後輩から「彼はいないんですか?」と聞かれた。「いるよ」と答えたら、「えっ。彼氏さんってどんな人ですか?」と返されて、ゾワっとした。さっきまで「彼(存在があるのかないのかわからない男性)」だったのに、「氏」がくっつくことで、「彼(名前はわからないけど確かに存在する)という人」というニュアンスになった。さらに「さん」がつくことで、敬語めいた響きになる。あれ?この「氏」と「さん」は同じ意味合いではないの?だから気持ち悪いのだろうか?
次に、キラキラ感が疎ましい、と仮説をたてる。
女子高校生が主人公の漫画を読んだ。少女漫画だ。セリフの中に、「彼氏さん」も「彼女さん」も、ごく自然に出てきた。あの、胸が詰まるようなキラキラした恥ずかしい世界。背伸びした会話。微笑ましいと思う人もいるだろうが、私はぞわっとする。
さて、仮説を立てたのだから、ちゃんと回収していかなければならないのだが、これは論文ではないので、このまま書きっぱなしで逃げてもいいはずだ。
まとめる力がない。もう体力切れだ。、集中力が続かない。とほほのほである。もうちょっとよく考えてみようと思う。
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